検索窓
今日:11 hit、昨日:0 hit、合計:2,407 hit

【哀れな男】作戦開始! ページ7

千尋side




千 「よ、よぉ、A」


「んぁ?千尋か。何?」


口に棒付きのアメを突っ込んだ姿で振り向かれ、改めて、俺は本当にこいつの眼中にないんだな、と脱力する。


千 「今週の土曜とか・・・暇だったりするか」


「暇だよ。なんで?」


首を傾げるその仕草さえかわいいと思ってしまった俺を、頼む誰か殺してくれ。


千 「いやその・・・おもしろい映画があるから、どーかなって」


「へえ、部活いいの」


千 「オフだよ」


ふーん、と納得したように頷いたAは「じゃ、舞にもそう伝えとくから」とさらっと信じられないようなことを言い放った。

よろしくな、と言いかけた俺は、「ん?・・・ん!?」と自分の耳を疑う。


千 「ま、舞って・・・?」


「は?どうしたの千尋。舞のこと忘れちゃった?」


千 「あ、いやそーじゃなくて・・・」



なに?ふたりっきりで・・・とか思ってた俺が浅はかだったと?身の程を知れと?そう言われているのか?


「映画かー・・・DVDの方でしょ、どうせ。アクション?アニメ?」


なぜその二択!?コイツ本当に恋愛に興味ねええ。

てかこのままいったら3人で見るはめになるし。流されてるよな、これ?

Aのことだから、わざとスルーしてるとかじゃ全然なくて、ただ単純に鈍感なだけなんだろう、


・・・けど。


それを見て、ふと不安になってしまった自分がいた。


こんなに近いようで、実はとても離れてる距離。これを埋めるとか、やっぱ俺には、無理なんかなー・・・なんて。

恋愛対象になってないし、幼なじみだし。このままでも、充分・・・幸せなんじゃないか?

隣にいられれば、それで、いいんじゃないだろうか?



「久しぶりだなー千尋ん家なんて。楽しみ!」



・・・ダメだ。

俺はなに弱気になってるんだ。
隣にいられればいいだあ?
わざわざDVD買いに行ったんだぞ?ここで負けたら男が廃るだろ。


Aと、このままでなんて、いいはずがない。


行動に移さないと、意味ないんだって。

痛いほど、知ってるはずだろ?



千 「・・・あの、さA」


「んー?」


千 「・・・よ」


「ん?なに?」




千 「他の奴呼ぶのは、やめろよ」




「・・・へ?」




キョトンとしたその顔に向かって、俺はもう一度覚悟を決めた。


───いつかその唇に、俺のを重ねるために。







千 「お前と、ふたりだけがいいんだよ」

【哀れな男】分からない→←【哀れな男】Aペア



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.7/10 (32 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
設定タグ:義兄 , 恋愛 , 義姉 , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あかり | 作成日時:2018年6月28日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。