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三葉side
後悔はないが､やってしまったという気持ちはある｡
壊してしまったという､罪悪感が｡
四 ｢･･･三葉､舞ちゃん､入っていい？｣
四樹姉！？･･･どうして･･･
びっくりして声も出せずにいると､前に座る舞が静かに｢どうぞ｣と言った｡
扉が開き､四樹姉の姿が見える｡
斜め後ろに､彼氏もいた｡
舞 ｢･･･どうかしましたか？｣
四 ｢さっきは､ごめん｡舞ちゃんにまで迷惑かけた｡三葉と､話がしたい｡ふたりに､してくれますか？｣
最後だけ丁寧な四樹姉の言葉に､舞は立ち上がり､四樹姉の彼氏と部屋を出て行った｡
三 ｢･･･悪かった｣
四 ｢･･･｣
三 ｢けど･･･嘘じゃねえし､言ったことに後悔はしてない｣
四 ｢でもっ､｣
三 ｢分かってるよ｡･･･俺らは家族だ｡義理だろうがなんだろうが関係ねえ｡家族なんだ｡それに､四樹姉には彼氏もいる｡無理なことぐらい､分かってんだ｣
四 ｢･･･｣
三 ｢だからもう､･･･いい｡やめるよ｡･･･けど最後に､聞かせてくれないか｣
四 ｢･･･何を？｣
三 ｢俺に･･･好きって言われて､少しでも嬉しかったか？｣
四 ｢･･･っばっかじゃないの｣
三 ｢！？｣
四 ｢･･･ほんの少し､だけだよ｣
三 ｢･･･ふはっ｣
そっか｡
ほんの少し､嬉しかったのか｡
三 ｢なら､いーや｣
それで充分｡
それだけで､もう､四樹姉の幸せを願うことができる｡
扉を開けると､階段のところに､舞と彼氏が立っていた｡
三 ｢･･･悪かったな､四樹姉の彼氏｣
硝 ｢･･･木内硝人です｣
三 ｢おう､硝人。･･･四樹姉のこと､頼んだからな｡泣かせたら､ぶっ飛ばすぞ！｣
硝 ｢･･･はい！｣
舞 ｢もう三葉さんが泣かせてますけどね｣
三 ｢舞！おっまえ･･･それはいうなよ！｣
好きだって気持ちがすぐ変わるわけじゃない｡
忘れられる自信もない｡
けど･･･好きな人には､笑顔でいてほしい｡
幸せになってほしい｡
そのためなら俺は･･･なんだってしてみせる｡
.
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作者名：あかり | 作成日時：2018年6月28日 22時
