検索窓
今日:14 hit、昨日:0 hit、合計:2,410 hit

【三角△関係】続 ページ33

硝人side



硝 「遅いな・・・」


弟さんを呼びに行ったはずの四樹さんがなかなか帰ってこず、そわそわしていると、Aさんの友達だという水島舞さんが隣にきた。


舞 「四樹さんの彼氏さん、ですよね」


硝 「はっはい、木内で大丈夫です」


舞 「じゃあ、木内さん。さっきからどうかされたんですか?扉の方を気にされてますけど」


硝 「い、いえ、その・・・四樹さんが、弟さんを呼びにいったまま戻ってこないので・・・」


舞 「四樹さんが?・・・じゃあ、見に行きますか」


硝 「え、え?」


舞 「A、私ちょっと木内さんと、四樹さんと三葉先輩呼びにいってくるから。ケーキ全部食べないでね?」


「まだ口つけてないってば!」


舞 「じゃ、行ってくるから。木内さん、行きましょ」


硝 「はっはい!」



いつのまにか、水島さんのペースに乗せられている。

階段を上りながら、たわいのない話をした。



硝 「あの・・・どうして四樹さんは"さん"付けなのに、弟さんは"先輩"なんですか?」


舞 「ああ、同じ学校の先輩なんですよ」


硝 「なるほど」



そうこうしているうちに、2階に着く。

そういえば舞さんは、1階には目もくれなかった。・・・なぜだろう?

一人首を傾げていると、舞さんが何かつぶやいた。



硝 「舞さん?」


舞 「・・・電気。ついてますね」


確かに、手前から2番目の部屋の電気がついていた。

わずかに開いた扉の間から、光が漏れている。



硝 「四樹さんたちがいるんでしょうか?」


舞 「さあ」



言いながら、少しずつ近づいていく。



『・・・んだよ』



部屋の中から、男の声。

三葉さん、だろうか?独り言?それとも・・・



『み、三葉・・・っ』


硝 「!」


四樹さんの、声。

なぜ?



『関係、あるんだよ、四樹姉』



切迫した三葉さんの言葉。

・・・なんだ?一体中で、何が起こっているんだ?



『だって俺は・・・俺は、四樹姉のことが・・・好きなんだ』



好き。

頭が、真っ白になる。


隣で舞さんが扉を開ける。



舞 「やめといた方がいいんじゃないですか、三葉さん」



ふたり分の、息を飲む音。


この混乱した脳内で、僕は、なぜ舞さんが今だけ「三葉"さん"」と呼んだのか、その意味を考えていた。

そして同時に、・・・あることを、思い出していた。



『妹と弟は義理なの。親父の再婚でね』



義姉弟というのは、ただの男と女が一つ屋根の下に住んでいる、ということなのだ、と。

▼→←休憩#



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.7/10 (32 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
設定タグ:義兄 , 恋愛 , 義姉 , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あかり | 作成日時:2018年6月28日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。