【賭けに出た男】Ａペアの場合 ページ2
Ａペア：主人公である吉村A､(オタクです｡ＢＬ好きです)と､その幼なじみであるバスケ部のイケメン､廣瀬千尋のグダグダペア｡
+++++++++++
舞 ｢Aー帰るわよ｣
音楽室にひょっこりはんした友達の舞に｢はーい｣と答えた｡
バッグを持ち､先輩に挨拶して退室する｡
舞 ｢もうすぐ夏休みねー｣
茹だるような暑さは､頭の中でアイスを連想させる｡･･･冷蔵庫にまだ入ってたっけか｡
｢夏休みかー･･･コンクールだよ暑い｣
舞 ｢コンクールに暑さ関係あるの？｣
そりゃあるよ､と言おうとして言葉を飲み込んだのは､前方からもっと不幸な不審者がやってきたからだった｡
千 ｢おー､A達か｡なに､今帰り？｣
幼なじみの廣瀬千尋である｡汗だくだ｡不幸な不審者だ｡
イケメンだから､汗だくでも爽やかに見える｡なんか腹立つ｡
舞 ｢寄ってくんじゃないわよこの変態汗くさいのよ害虫が｣
酷い言われようである｡
しかし一方で､仕方ないとも思う｡
舞は漫研に所属し二次元のイケメンに没頭するあまり､リアルのイケメンを｢虫｣と捉える節があるのだ｡
千 ｢俺も一緒に帰っていい､A｣
お前は空気が読めんのか｡それともあえてやっとんのか｡
｢別にいいけど･･･｣
舞は？と聞くと､顔をこれでもかと歪めながらも｢Aがいいなら｣と言ってくれた｡根はいい子なんだよね｡
千 ｢じゃ､俺荷物取ってくるから｣
全速力で体育館に戻っていった千尋｡
私は迷う間もなく､職員室の扉の前に立つと､漏れてくる冷気に息をついた｡
舞 ｢涼しい？｣
｢うん｡･･･オアシス｣
舞も隣に立ったので､少しずれる｡
舞 ｢確かに涼しいわね｡･･･あら？･･･名前､あれ｣
舞が指差した職員室内には､何か手にしたものを口に突っ込む校長せんせー｡
･･･あれは､もしや｡
千 ｢あ､アイスじゃん｡うらやましー｣
数秒間の沈黙の後｡
｢千尋負けた｣
舞｢負けたわね｣
と､千尋は哀れむような瞳で見られていたのだった｡
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あかり | 作成日時：2018年6月28日 22時
