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52. ページ4

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紫の真剣な目線がすみかを射止めて動かさない。
すみかはそっと地面へ俯いた。


彼女の下で長い蟻の兵団が進んでいく。


蟻が一匹残らず去った頃。




「…………私は、戻りたくないです」




彼女の言葉に紫はゆっくり瞬きをして続きを促す。




「私は、ここに入るためにあらゆる物を捨てました」




「今更金目当ての輩に渡す物などありません」







「此処が、幻想郷が。私の(つい)棲家(すみか)です」







すみかの瞳に夕焼けが映り込む。
彼女の瞳は、どこまでも真摯な夢を照らしていた。



「…………それが貴女の口から聞けただけで十分よ」



紫はうすら笑みを浮かべ、くるりと回れ右をした。



「……?」



「安心なさい、貴女の家は私が守ってみせる」



数歩歩いた紫は、ゆっくりと振り返る。









「幻想郷は、全てを受け入れますもの」









「此処は、どこまでも残酷な場所ですから」









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設定タグ:東方Project , 文豪ストレイドッグス , クロスオーバー   
作品ジャンル:純文学
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作者名:颯貴@きっちょー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/MizuhasiSatuki/  
作成日時:2021年7月18日 17時

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