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カンタside
次に目を覚したときには、真っ白な天井に、真っ白な壁。いつかの昔、見た景色があった。
「カンタ……？起きた？」
珍しく不安げにそうたずねてくるトミー
頷くと、安心したように笑って「良かった」と俺の頭を子供扱いするかのようになでた
「あ、看護師さん呼んでくるわ」
「ありがとう」
なんだか、病室でトミーと会うのは当たり前だけれど久しぶりでなんだかくすぐったかった
ガラリと開いたドアにもう帰ってきたのかと思って驚いていると、そこにはもっと驚いた顔をしているAがいた
『うそ……！カンタ！？』
「うん」
「ごめん、A」
何を思うわけでもなく、ただ反射的にその言葉が口を突いて出た
「全部かわかんないけど……
昔のことを思い出したよ」
その言葉に、目を見開き涙をこぼすA
重力に逆らうことなくはらりはらりと落ちていくその涙はまるで宝石みたいに綺麗だった。
記憶が戻ったとき────まあ実は記憶がないっていう自覚もなかったんだけど。
昔のことを思い出したとき、あの謎モヤモヤの正体がはっきりした。Aへの自分の気持ちも
あのときトミーに対して嫉妬したのは紛れもなくAへの恋心からだったからで。
『……よかった、嬉しい』
Aの潤んだ目と目があった。はにかみながら嬉しそうに笑うAに俺は伝えなければならないことがある。
「あの────、」
ガラリと開いたドアからは看護師さんが入ってくる。
雰囲気も、俺の決意も台無しだ。思わず苦笑いすると、トミーが不思議そうな顔をしてこちらを見ていた
「体調どうですか」
「大丈夫です」
ほっとしたような顔をしたのも束の間、トミーは真剣な様子でAに耳打ちをした。
『……それがね、』
嬉しそうな顔をするAと、不安そうな面持ちのトミー。なんだか相対的過ぎて面白いくらいだ。
『カンタ、記憶が戻ったの！』
「あ、うん。そうみたい。今まで迷惑かけてごめんね」
「……え、嘘？マジ？！」
本当？って何度も何度も聞いてくるトミー
「多分」って答えると、「そっか、良かった」ってトミーは嬉しそうに笑ってるのになぜだか少し悲しそうに見えた
自分でもなんでそんな矛盾したことを思ったのかはわからないけど、トミーの笑顔にふと影を感じたんだ
「あと、花見行こうって言ってたのに俺のせいでごめん」
「何言ってんだよ、またいつでも行けんだろ」
『気にしないで、またあとで行こうよ』
「……ありがとう」
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春風うた(プロフ) - みんちゃさん» 不定期な更新にも関わらず読んでいただきありがとうございます！できる限り更新できるよう頑張りますので完結までよろしくお願いします！ (2019年11月20日 1時) (
レス) id: 42376aeff5 (このIDを非表示/違反報告)
みんちゃ(プロフ) - リメイク大変だと思うけど頑張ってください！続き待ってます (2019年11月19日 18時) (レス) id: fd9887635d (このIDを非表示/違反報告)
いちごみるく(プロフ) - 優球さん» ホントですか！？だいぶ違うタイプなので好みかはわからないですが…（汗）ほんとですか！！ありがとうございます…！まだもうすこーし続く予定です！ (2017年12月20日 23時) (レス) id: 42376aeff5 (このIDを非表示/違反報告)
優球(プロフ) - あとの数話めっちゃ感動です…(;Д;)(;Д;) (2017年12月20日 23時) (レス) id: a03a532c75 (このIDを非表示/違反報告)
優球(プロフ) - リンクまでご丁寧にありがとうございます！是非見ます！ (2017年12月20日 23時) (レス) id: a03a532c75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おもち。 | 作成日時：2017年9月30日 0時
