【鬼滅の刃】俺を忘れた君【冨岡義勇】

忘れないで10 ページ11

「えーっとお…。今俺が言ったことは忘れてくれたり…」




「忘れられると思っているのか。思っているのならお前はそこまでの人間だ」




「エッ、なんで今に限って言葉足らずじゃないのおお！？」





忘れられるわけ、ないだろう。



ずっと覚えている人と出会ったことがなかったんだ。


もしかしたら夢だったのかと思っていたんだ。





そんな中、やっと記憶がある人と出会えた。





それを、忘れられるわけがない。








「…我妻は、Aのことが好きなのか」





先ほどの我妻の発言を確かめようとする。


もしかしたら、俺の気のせいかもしれないと思って。





しかし、




「あー…。大丈夫ですよ、俺は気持ち伝えようとか考えたことないし。」




と我妻は答えた。





…やはり、本当だったか。




「…教師と生徒だということを理解しているか？」





「理解してますよ。でも、仕方ないじゃないですか。





Aさんのこと、割と本気かもしれないんですから。」





教師と生徒。どうしても、その差を感じる人は多いと思う。





しかし、我妻はその事実に屈しず想い続けている。





俺は、忘れられたというだけで諦めようと思ったことが何度もあったというのに。





我妻は、尊敬に値するだろう。









・









「…なぜ諦めようとする？」





「はあ…？何言ってんのさ」





意識していなかったのに、俺から出た言葉。





俺はこれから、なんと言おうとしているのだろうか。









・









「…まず、俺とAは両想いではない。Aは、俺のことを微塵も意識していないだろう。


それに、たとえAに想っている人がいたとしても。それでも想い続けるのが本当の「好き」なのではないだろうか。


人それぞれ違うというのは分かっている。だが、我妻は本当に確認したわけではないだろう。


だとしたら、もう少し頑張ってみてもいいだろう。


教師と生徒だということに引け目を感じているのなら、卒業してからふり向かせればいい。お前には、まだたくさんの時間がある。


なのに、なぜお前はそうしない。Aのためだというのか？


だとしたらそれは見当違いだ。お前だってわかっているのだろう。





自分が、怖がっているだけだということに。」





自分がすごく饒舌になったことに驚きながら我妻を見ると、目に涙を浮かべていた。




───
三者面談やだあああ！！怠けてるのがばれる！

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