【APH】愛を受け取って【ヤンデレ】

ナターリヤ・アルロフスカヤ　“相反” ページ34

＿百合表現あり。







兄さんも好きだけれど、彼女も好き



私の心の中では、彼女を超える壁など存在しない







いつもは兄さん兄さんと言ってばかりだが、本心は――







心の底から愛している。








けれど私は上手く言えない。
どうやって伝えればいいのかもわからないし、逆のことばかりを言ってしまう。


彼女を傷つけているのだとしたら、私は死んでしまいたいくらいだ









「ナターリヤ？ どうしたの？」





「五月蠅い。黙れ」





「……ごめんね」









こうやって、だらだらと毎日を過ごしていく









＊







兄さんの近くに行けば、Aがいる
私が近づけば、兄さんが逃げる





だけど、Aは逃げなかった









「ナターリヤ。一緒に帰らない？」









返事を言うだけなのに、のどまできているのに。
どうして答えが出ないんだろう







そしてまた、こう言うのだ









「断る。正直目障りだ」









自分を殺してしまいたい。
素直になれない私なんて、消えてしまえばいいのに









「ウソだよ。一緒に帰ろう」





「五月蠅い！ 離せ！」









そう言えば、何故かナイフを握りしめ、彼女に向かって切りつけた。





どろりとした不安が、私を襲う。
どうしよう、本当に傷をつけてしまった




精神的ではなく、肉体的にやってしまった。









消えたい、消えたい。



兄さんみたいに、上手くいかない。







逃げだそうとしたら、腕をつかまれる


殴られるのだろうと思い、目を瞑る






衝撃はなかった。









「……私は好きだよ、ナターリヤ」









今まで触れたことのない温もり




涙を流していた









＿

ベラ嬢はいつも病んでいるので、平和な終わり方にしました。

ウクライナ　“証明”→←アリス・カークランド　“世話焼き”

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す