千秋楽は始まり ページ3
side 大倉忠義
9月に呼ぶと言ったくせに8月末の少年たち千秋楽の日、俺とAに集合がかかった
半月ぶりに会ったAはかなりげっそりしてて
今まで共に戦ってきた仲間を選別してメインメンバーを決めるなんて大役をすることは確かにかなり過酷なことで、精神的にきてたんやと思う
ジャニーさんの残酷さを改めて感じた
そんなジャニーさんはというと、俺らを呼んだものの何かをする訳でなく
俺とAは袖で千秋楽を見学
半月前とは全く違う完成度で、彼らの可能性の無限大さを再確認した
関西Jr全員が輝く、そんなステージを作りたいと思えた
彼らから滲み出る達成感と夢に向かって頑張るひたむきさを感じた
それをすぐ現実に引き戻したのは紛れもなくジャニーさんやった
舞台が終わってジャニーさんが俺らのもとにやって来た
ジャニー「じゃあ行くよ」
「何する気なん…？」
ジャニー「わかるでしょ？
ね？A」
ジャニーさんの冷たい笑いに俺らの背中に汗が走る
まさか…、
「まって、ジャニーさん
俺はええけど、Aの目の前で…」
A「大丈夫です」
「A…」
A「私が発言したことに責任を持たないといけませんから
しょうがないです…」
ジャニー「よし、行くよ」
ジャニーさんの背中を追いかけて俺とAは歩いていく
ふと見れば衣装を脱いで達成感を味わう関西Jrの姿
おめでとう、と言える奴らも勿論おるけどこの中の大半はそうは言えない
ごめんなって心の中で謝ってしまう俺は優しすぎるのかもしれへん
厳しい世界やとこの中では1番わかってるはずやのに
いや、もっとそのことを分かってるのはAやろう
そしてより謝ってるのもA
どんな結果であれ、関西Jr全員が目立つステージを11月に絶対作ってやろうと意気込んだ
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作者名：柚月
| 作成日時：2019年6月8日 23時
