それぞれの役割 ページ49
side 西畑大吾
公演も進んでいって折り返し地点までやってきた
Aは相変わらず東京との往復ばっかりで全公演には来てないけど、出来るだけ同じ空間にいてくれてアドバイスをしてくれた
東京で何をしてるのかは直接聞いてないけど、多分カウコンのことやらで動いてるんやと思う
正直、Aが東京で仕事があると聞いた時は嬉しかった
勿論、関西に来る頻度が少なくなるのは寂しかったけど、東京で仕事を任されたってことはきっと事務所もAのことをより認めてるって
バイトという立場上、Aがいつ辞めるか分からんくてヒヤヒヤしてた俺らにとってこの話は安心感をもたらした
タレントとしてでは無いにしてもまだ事務所に居てくれるんや、って…
そんな心配ばっかりしてたから、まさか別のプロジェクトで動いてるなんてこの時は思いもしてなかった
今日も公演が無事終了
今日も乗り切れたっていう安心感とともにやってくるのはこの先の不安
年齢も違えば今まで同じ立ち位置で一緒に活動してたメンバーでもない人達の集まり
正直言えば、入所歴も長く年齢も高い丈君やはっすんと入所したばかりで即メインメンバーについた若さたっぷりなみっちーや恭平、長尾とは熱量も技能も正反対に感じた
どちらかが悪いなんて思ってない
それぞれの個性やし、歳を重ねるにつれて物の見方も変わるのが普通
でも、そんなメンバー達をどうやって纏まらせるのが良いんか、敢えて自由にするのが良いか
自分がグループに属してたのは大分前やし、その時は入所したてで訳も分からなかったからこんなにグループのことは考えてなかった
そんなことをボーッと楽屋で考えてたらいつの間にか同部屋のなにわ男子メンバー全員が帰ったみたいで1人になってた
でも見覚えのある荷物が置かれてて
はっすんはまだ帰ってないんかと察して楽屋を出て探索していたら、リハ室からはっすんの声がして思わずちょっと開いてるドアに耳を傾けて聞いてみる
和也「…俺分からんや」
A「何が?」
和也「俺リーダーやのに何にも出来てない…
何かしなあかんって分かってるのに…何したらいいか分からんし難しい…、」
はっすんも俺と同じようなことで悩んでたらしい
Aに相談してる所やったみたいで
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作者名:柚月 | 作成日時:2019年6月8日 23時