宣戦布告 ページ6
康二「A、」
「…お疲れ様です、」
昨夜色んな葛藤で眠れなかった不健康な顔を彼に見せたくなかったし、何よりこんな複雑な感情で彼に合わせる顔もなくて不躾な一言だけが口に出る
全体リハを翌日に控えた今日、デビューをする関係者とスノストだけで極秘のリハが行われた
ステージの準備やらで集合時間よりも押しており、舞台袖でメンバーやスタッフ間でワチャワチャしていた
その輪からは外れて康二君と私の2人で壁際でひっそりと立っていて
康二「今日のリハ、知ってるのはAと滝沢くんと一部のスタッフさんだけなん？」
「私は何も知らなくて」
そもそも私が来る必要なんて何も無い
このJr祭りは完全に滝沢社長のプロデュースやったから私は何も手を出してない
康二「やろうな。Aがこんなことするとは思えへんし…ましてやこのセトリ、」
「…セトリ？」
そう言えばデビュー発表をいつ行うのか報告されてなかった
康二「え？知らんの？これ、」
メンバー用に渡されたらしいセトリを見れば、顔面蒼白になる
「………ぇ…っ…？」
震える手と真っ白になる頭で固まって
康二「…Aっ、」
康二君の言葉に、涙が零れていたことに気付く
慌てて服の袖で乱雑に拭き取っても、その涙は止まらんかった
康二「やっぱりこれおかしいよな…っ、流石に俺が滝沢君に、」
「あかん…っ、康二君は何もしたら駄目です…せっかく手にしたデビューなんやからっ、」
どんなに社長が憎くても、スノストのデビューを心から祝えなくても、ずっと関西Jrで戦ってきた尊敬する先輩のデビューを潰すなんて考えられへんかった
「…康二君、一つだけ覚えててください」
康二「なに…、」
「これから何があろうと、…私が誰とどうなろうと、私は康二君のデビューを喜んでるしこれからの康二君を応援してます…この気持ちはほんまやって信じてください…」
康二「…A、どうするつもり、」
「…すみません、」
丁度この時、スタッフさんがリハの開始を合図してぞろぞろと人の流れはステージへと向かってる
私はその流れに逆らうようにドームを後にした＿＿＿＿＿＿＿
落ち込むほど暇ではない
8/8が終われば、関西Jr達と話し合う暇もなく、美少年達とアメリカに行かなければならない
それにグループごとのライブ、個々のドラマ出演、テレビ出演、少年たちも始まったばっかり
私自身でいえば、大学の卒論も残ってる
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仁海(プロフ) - 久しぶりの更新楽しみにしてました！早く続きが楽しみです。 (2022年8月1日 18時) (
レス) id: d86cd8bbb0 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ - やっとこのお話の世界線で丈くんがみんなと同じ土俵に立って、恋をできそうですね。 (2021年7月28日 23時) (レス) id: 26e7d360ec (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 今まで占ツクで読んできた中で一番大好きなお話です！既に3回ほど読み返してます笑これからも更新待ってます！ (2020年8月30日 0時) (レス) id: 20091d926e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚月
| 作成日時：2020年7月30日 22時
