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ダンスを共に[zm] ページ43

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ゾムは彼女は連れだと言いに行こうと思った。


が、青年と彼女の話に少し興味が湧いたので少し聞き耳を立てることにした。


連れ去ろうとするならば殺せばいいと思いながら。



青年「あの、少しお時間いいですか?」


『え?あ、はい』


青年「貴女……お城の使用人さんですよね?僕、何回か拝見したことがあって…」


その言葉にゾムは顔を顰めた。


そう、今回の舞踏会、彼女はゾムの"婚約者"として出席しているのだ。


『……いえ、違います。私は"ゾムの婚約者"ですわ』

いつも聞かないような言葉遣いと絶対に聞けないような言葉にゾムは顔を真っ赤に染めた。


青年「……そうですか。では、少し僕の話を聞いて貰ってもいいですか?」


『?はい』


青年「僕、グルッペン総統のお城に居る使用人さんが好きなんです。……一目惚れと言った方がいいでしょうか」


『……え?あ、そうなんですか』


きっと彼女は自分のことだと気づいていない。


小春かアリサかのどっちかだと思っているのだろう。


青年「でもその人は数々の男性の目を奪っていく…軍の方々の何人かもその使用人さんを狙っているんです」


『えぇ…!?そ、そうなんですか……』


青年「その使用人と言うのが……貴女なんですよ、Aさん」


『へっ……?』


青年「僕は軍の方々のように強くもなければ魅力がある訳でもない……ですが、貴女を深く愛す自信があります。僕の事を……眼中に入れてくれませんか…?」


彼女は耳まで真っ赤に染め、深く考え込んだ。


『……残念だけど、私はドが付くほどの恋愛オンチなの。自分が恋をしているのを自覚できないくらい。…でも、この分かりゃしない好意はきっと幹部の誰かに向けられている気がする、んだよね』


予想もしなかった言葉にゾムは石のように固まった。


青年「……そうですか。…あの、じゃあせめて、お友達になりませんか…?僕、花屋をやっていて…よくお城にも来ているんです。その時に話しかけても…いいですかね?」


何とも初々しい青年にゾムは心がむず痒くなったがそれに反して彼女は柔和な笑みを浮かべた。


『…もちろん。あたしでよければいつでも』


青年は彼女の言葉に安堵し、微笑んだ。


ゾムは…珍しく彼を生かしおこうと思った。

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(プロフ) - 青色さん» 青色さん初めまして!お読みいただきありがとうございます…!青色さんの応援を糧に更新頑張ります…! (2017年8月19日 17時) (レス) id: 875c609fe1 (このIDを非表示/違反報告)
青色(プロフ) - どうもはじめまして!小説読ませてもらいました、とても面白い内容で楽しく読んでいます。更新頑張ってください(*´ω`*) (2017年8月19日 10時) (レス) id: ebc2e5e0a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年8月17日 22時

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