ダンスを共に[zm] ページ42
.
二人「でけぇ……」
ゾムとAは初めて見る大きな会場に感嘆の声を上げた。
兵士「出席者の方ですか？お名前を」
ゾム「あ、えと、ゾムです。こっちは連れで…」
兵士「！なんと！ゾム様でしたか！失礼致しました！どうぞ、グルッペン総統からお話は伺っております！さぁ、こちらへ……」
ゾムは普段されない丁寧な対応に戸惑いを見せたが何とかやりすごし、会場に入ろうとAの手をとった。
ゾム「A、なるべく俺から離れんといてな。ここまでデカいとは思っとらんかったし……」
ゾムは"綺麗やから狙われるし"という言葉を言えず飲み込んだ。
『了解。手、離さないでね』
単純に迷子になりたくない為の発言だと分かっていても、なんだか恋人のような会話にゾムの心臓は鼓動を早くした。
ゾムは緊張で震える手をどうにか抑え、彼女の白い手を握った。
.
二人が会場に入るともう既に何組かの男女が参列しており、中には椅子に座り休む者や、スパークリングワインを煽る者もいた。
ゾム「うわ、こんな感じなんや……」
『言葉使い直そ……』
ゾム「どうする？……俺上手く踊る自信ないねんけど」
『そんなんあたしに任せてよ』
とは言ったものの緊張しすぎて踊れない、と彼女は言った。
そこでゾムは、
ゾム「ワイン飲めば案外踊れるんとちゃう？俺持ってこよか？」
と、提案した。
『あ、うん。んじゃそこの椅子座って待ってるわ』
と、彼女は一つの空いた椅子を指差した。
ゾムは自分で言っておいて一人にしていいのかと不安が過ぎったがすぐに戻れば平気だろうと快く了承した。
.
そして両手にワインを持ったゾムは後悔した。
あまり時間はかからなかったつもりだが、中々顔の整った青年が最愛なる彼女に話しかけるのには充分すぎる時間だったらしい。
ダンスを共に[zm]→←ダンスを共に[zm,gr,tn,em]
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 132人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
霙(プロフ) - 青色さん» 青色さん初めまして！お読みいただきありがとうございます…！青色さんの応援を糧に更新頑張ります…！ (2017年8月19日 17時) (
レス) id: 875c609fe1 (このIDを非表示/違反報告)
青色(プロフ) - どうもはじめまして！小説読ませてもらいました、とても面白い内容で楽しく読んでいます。更新頑張ってください(*´ω｀*) (2017年8月19日 10時) (レス) id: ebc2e5e0a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：霙 | 作成日時：2017年8月17日 22時
