第35話✦不思議な子 ページ42
ルームメイトに続いて部屋の中に入るとまたしてもぶっ倒れていた。
『リンネちゃんっっっっ！？！？』
｢…ごめん。せんぱい。ここ2日は何も食べてなかったから。｣
『いや、ちゃんと食べて……』
最初は驚いたが少し経ったらこのマイペースさにも慣れてきてしまった。
『寮のキッチンで何か作ってくるから、待っててね』
そう言って私は部屋を出た。
2日間何も食べずに何をしていたのだろうか……
いや、それよりも早く何か作って上げねば…
『何も食べてなかったなら野菜スープとかがいいかな…』
そう言いつつ寮のキッチンで食材を漁る。
『食材も揃ってるし…野菜スープでいっか。』
せっせとスープを作り、器に移す。
『さてと…』
リンネちゃん、食べてくれるといいけど…
部屋に戻るとリンネちゃんは寝ていた。
『リンネちゃん〜 ？作ってきたよ〜？』
そう作ったスープの置いてあるお盆を机に置きながら言う。
｢…？せんぱぁぃ？｣
眠そうな声でそう言う。
この子もフィオ先輩みたいな体質なのだろうか？
『はい。お腹に優しめの野菜スープ。』
と差し出すと眠そうに口を開けた。
これは…食わせろということか？
少し戸惑いつつもリンネちゃんの口にスープを運ぶ。
リンネちゃんは作ったスープを食べ終わると寝ていたところからｽｯ…と立ち上がって荷物を漁り始めた。
｢…せんぱい。最近、悪夢とか見ない？｣
そう一言聞いてきた。
『！？…なんでそれを？』
そう聞くと
｢うちの家、商人兼鑑定士やっててね。僕の固有魔法も鑑定に関するものなんだ〜｣
と答えパッと腕輪のようなものを取り出した。
｢だから、せんぱいの腕にある精神干渉系の固有魔法もばっちし見えてる。｣
と腕輪を片手にこちらへ歩み寄りながらそう語る。
そしてその腕輪を私の腕に着けて握った。
｢ちょっとだけ待ってて。｣
すると腕輪は突然として光った。
｢はい。おしまい。｣
そう言ってリンネちゃんは腕輪を荷物の中へ突っ込んだ。
｢今日は安眠できるよ｣
ニコリと笑いそれだけ言ってリンネちゃんはベッドに座る。
腕を確認すると昨夜見たダリアの花の紋章が消えていた。
『…ありがとう？』
感謝を述べると、リンネちゃんは
｢感謝はいらない。商人として借りを作ったままは嫌だったから。｣
それだけ言ってまた寝てしまった。
不思議な子だ。でも助けられた。
ありがとう。リンネちゃん。
その日の夜は、昨夜のような悪夢を見なかった。
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うえ - 私、基本オリキャラ苦手なのですが、なぜかこのお話だけは大丈夫でした..！！すごくすきです！応援してます！！ (2月12日 22時) (
レス) @page42 id: 9aa429e4c8 (このIDを非表示/違反報告)
エンジニア - すごく好きです。応援しています (2月3日 9時) (レス) @page8 id: 94c56dfe9c (このIDを非表示/違反報告)
☆(プロフ) - ドハマりいたしました、ありがとうございますm(_ _)m。最近マッシュル見始めて見終わったとこなので最高です✨✨本当に大好きです✨続きとても楽しみに待ってます！！イベント参加ありがとうございました🙇♀ (8月5日 12時) (レス) @page37 id: 90fd568f40 (このIDを非表示/違反報告)
ユキラ - 了解です (8月4日 20時) (レス) id: 2a204edd5e (このIDを非表示/違反報告)
霙。(プロフ) - ユキラさん» コメントありがとうございます！大丈夫です。出る時にめちゃくちゃ出ます。 (7月27日 22時) (レス) id: 592ea7c460 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霙 | 作者ホームページ：https://lit.link/p0y0z0
作成日時：2023年6月20日 21時
