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第30話✦話を聞くのは大事 ページ37

次に目が覚めると相変わらず薬と百合(せんぱい)の匂いがした。

「……あ。起きた。」

『あ。フィオ先輩…』

今回はちゃんと日が出ている時に目が覚めたらしくぱっちりとした先輩の目がこちらをじぃっとている。

瞳孔が花のような形になっていて少しつり目気味な先輩の目……

少しするとその目から涙が滲み出た。

「よ、よかったぁ〜うわぁあん…もう起きないかと思ったぁ…」

安堵の息を漏らしつつそう泣き喚いた。

『…すみません…先輩…心配かけて。』

そう言って起き上がった。
今度は回復したようでしっかりと身体に力が入る。

「……ごめんなさいは要らないよぉ〜…新入生が生きてるだけでそれだけでいいのぉ…」

あーあー…先輩…可愛いのに泣いてるせいで涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃ…

私のためにこんなに泣いてくれる人今でもあんまりいないからなぁ…

あ、いや。今の両親ならここまで泣くか…私が死んだら後追ってきそうだもんな…

「それよりも、なんで毒あるって分かってて赤い狼の爪の攻撃受けたの…??」

先輩は急にスンッとしてそう聞いてきた。

『…ぁ…あのぉ〜誠に申しづらいのですが……』

かくかくしかじか話をすると、

「赤眼のフィラックスウルフに毒があるのを知らなかった!?!?!?」

と驚かれた。

「事前説明があったはずなんだけど……」


『あはははは……』


話を聞くのって大事だね……


「次からはちゃんと話を聞くこと!!!!」

もぉ〜!!!と先輩に可愛らしい怒り方でポカスカと肩を軽く殴られる。

「罰として!!」

おお、急に来たな……
なんだろ…私ができることだといいんだけど…


「君の名前を教えてよ!」

『え?言いませんでしたっけ…?』

そういえば先輩の名前は教えられても自分の名前を教えたことは無かったな…
それにそんな簡単なことでいいのだろうか……

「ほーら早く教えてよ!新入生!」

にこにこと満面の笑みでこちらを見る先輩。

『……A・セシルです。』

そう微笑み返しながら言う。

「〜〜〜!!!A!!Aって言うんだね!?」

先輩は新しい玩具を買ってもらった子供みたいにはしゃいで私の名前を呼び続ける。

「よろしくね!A!」

ふふっと笑ったあと私に手を伸ばしながら先輩はそう言った。

私はその手を取った。この日私と先輩の絆が深まった。



でも、私は知らなかった。
フィオ先輩…フィオーリ・フォレス・リリィ先輩が大きな闇を抱えていることに。

第31話✦今日で終わりそして始まり→←色々ごめんなさい!!



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うえ - 私、基本オリキャラ苦手なのですが、なぜかこのお話だけは大丈夫でした..!!すごくすきです!応援してます!! (2月12日 22時) (レス) @page42 id: 9aa429e4c8 (このIDを非表示/違反報告)
エンジニア - すごく好きです。応援しています (2月3日 9時) (レス) @page8 id: 94c56dfe9c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ドハマりいたしました、ありがとうございますm(_ _)m。最近マッシュル見始めて見終わったとこなので最高です✨✨本当に大好きです✨続きとても楽しみに待ってます!!イベント参加ありがとうございました🙇‍♀ (8月5日 12時) (レス) @page37 id: 90fd568f40 (このIDを非表示/違反報告)
ユキラ - 了解です (8月4日 20時) (レス) id: 2a204edd5e (このIDを非表示/違反報告)
霙。(プロフ) - ユキラさん» コメントありがとうございます!大丈夫です。出る時にめちゃくちゃ出ます。 (7月27日 22時) (レス) id: 592ea7c460 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:https://lit.link/p0y0z0  
作成日時:2023年6月20日 21時

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