第29話✦目覚め ページ34
『(薬の臭い…と、百合の匂い…？)』
横をふと向くとフィオ先輩が椅子に座り眠っていた。
『ぁ……ふぃおせんぱ…ぃ…』
あれ…上手く呂律が回らない……
そんなに傷酷かったのかな……
というか、この部屋暗くないか？
上手く見えないけど、窓の外も暗い…？
もう夜ってことか…
なら、先輩が爆睡してるのも頷ける。
『(……あれ……？)』
起き上がろうとしたが、上手く力が入らない。
｢……やっと起きたか。セシル｣
聞き覚えのある、威圧感のある声がした。
横を向いたらエイムズくんだった。
『ぁ……えぃむずく……』
そう声を発するだけで疲れてしまいそうだ…
確かに、今日は色々と魔法も使った…し……
｢無理に話すな。状況を俺が説明してやる。｣
『……？』
状況……？？？
｢お前は、今日を入れて3日間。ずっと目を覚まさず意識不明の重体だった。｣
『……っ！？』
3日……？3日って言った！？
｢驚くのも無理ない。だがお前はフィラックスウルフの爪の毒に侵され、その上、傷が深く血液が足りない状況だった｣
毒……？あの狼…毒なんてあったの？
驚いているのも気にせず、彼は淡々と話を続ける。
｢そしてその毒をお前の身体から全て除去し、3日間栄養失調にならないために魔法を酷使し続けていたのがこのフィオーリ・フォレス・リリィ先輩だ。｣
『……』
フィオ先輩……私なんかのために……そこまで…
｢……夜も寝ずにセシルの治療をしていた。感謝しておけ。｣
そう素っ気なく言われる。
『!?』
『(……先輩…っ…日の出ていない時は寝なきゃ宿してる魔法の影響で辛いはずなのに…)』
涙が出てくる。
不甲斐ない私にここまでしてくれる先輩。そしてエイムズくんもだ。
今が何時かは知らないがこんな夜更けまで私の様子を見てくれている彼には感謝しかない。
『ぁ……』
声を出そうとしたが上手く出ない。
｢……今は無理に声を出そうとしなくていい。悪化するだけだ。｣
そう言ってベッド横に椅子を引っ張ってきて座る。
｢セシル。お前はもう寝ろ。｣
そう言われ、私はこくりと頷き目を閉じる。
あぁ。優しい友達を持ったなぁ……
それにしても…毒って…話されたなら聞き逃して…ない…は…ず…
…………まさか……あの先週の時に話されてた……？？
人の話って聞くべきだなぁ……
そう思った今日この頃だ。
…寝て早く元気になってフィオ先輩にありがとうって言わなきゃ…
そして私は目を閉じた
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うえ - 私、基本オリキャラ苦手なのですが、なぜかこのお話だけは大丈夫でした..！！すごくすきです！応援してます！！ (2月12日 22時) (
レス) @page42 id: 9aa429e4c8 (このIDを非表示/違反報告)
エンジニア - すごく好きです。応援しています (2月3日 9時) (レス) @page8 id: 94c56dfe9c (このIDを非表示/違反報告)
☆(プロフ) - ドハマりいたしました、ありがとうございますm(_ _)m。最近マッシュル見始めて見終わったとこなので最高です✨✨本当に大好きです✨続きとても楽しみに待ってます！！イベント参加ありがとうございました🙇♀ (8月5日 12時) (レス) @page37 id: 90fd568f40 (このIDを非表示/違反報告)
ユキラ - 了解です (8月4日 20時) (レス) id: 2a204edd5e (このIDを非表示/違反報告)
霙。(プロフ) - ユキラさん» コメントありがとうございます！大丈夫です。出る時にめちゃくちゃ出ます。 (7月27日 22時) (レス) id: 592ea7c460 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霙 | 作者ホームページ：https://lit.link/p0y0z0
作成日時：2023年6月20日 21時
