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第28話✦赤眼の狼 ページ33

「……っっ!!」

「ニーナ!」

赤眼の狼が女子生徒を襲おうとした時だった。

『っっっ……!!!』

女子生徒を襲おうとしていた狼の爪はグッサリと私の左手に貫通していた。

咄嗟の判断で、魔法を使う余裕がなかった。

視えてしまったのだ。彼女(女子生徒)が死んで(男子生徒)が悲しむ姿を。

『あぁ……もう。こんなお人好しじゃなかったはずなんだけどな…』

イライラしながらそう呟いた。

「な…………お前、何やって…そいつには…」


女子生徒が腰を抜かしてそう言った。


『そんなこと言ってる暇あったら早く立って逃げてくんない?』

さすがにこの攻撃をいつまでも防げるほど私もタフじゃない。

「行こう。ニーナ。」

男子生徒…いやセレンくんがそう言った。

「あぁ……」

ニーナさんは呆気を取られた顔をしてそう言った。


『さてと……』


『お前のこと、どうしてやろうかな。』


そう言って私は自分の左手に突き刺さった狼の爪を引き抜くために狼の足をスパンとアイシクルで切断した。

『いっっったぁ…』

叫びそうになったが、叫ぶと狼に知らず知らずのうちに威嚇してしまうので声を抑えた。


逆に狼の方が叫んでいる。


『痛いよね〜…私も痛いもん…』

そう狼に話しかけながら左手をアイシクルで止血する。

『(…アイシクルで切断できたってことはまだ私の魔法で太刀打ちできるってことだよね…)』


そう考えつつ氷の剣を生成する。

『よいしょっと』

そう言い片手で剣を構えるも上手く握れず落としてしまった。

さすがに片手で持つのはキツいかな…と呟き、スティーアで左手の感覚を狼に移す。

狼はうめき声を上げ暴れ始めた。


『ごめんね。』

剣を構え直すと私は目の前でうめき暴れる狼の首まで氷で足場を作り上まで行く。


そして、そのまま剣を下ろした。


さっきまでうめき声を上げ暴れていた狼はどんどんと灰になっていき、赤い石へと変わった。

なんか、一瞬だったなぁ…あはは。


なんか疲れちゃった…


そう思い木に寄りかかる。


『あ……れ……?』


視界がどんどんとぼやけていく。


さっき止血をした右肩と左手が脈打つのを感じる。

『あ……血…とめ…なきゃ…』


そのまま私はパタリと倒れてしまった。


あぁ。死んじゃうのかな……


死んで生き返るなら…願わくば…


魔法のない世界がいいな…

第29話✦目覚め→←第27話✦不意打ち



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うえ - 私、基本オリキャラ苦手なのですが、なぜかこのお話だけは大丈夫でした..!!すごくすきです!応援してます!! (2月12日 22時) (レス) @page42 id: 9aa429e4c8 (このIDを非表示/違反報告)
エンジニア - すごく好きです。応援しています (2月3日 9時) (レス) @page8 id: 94c56dfe9c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ドハマりいたしました、ありがとうございますm(_ _)m。最近マッシュル見始めて見終わったとこなので最高です✨✨本当に大好きです✨続きとても楽しみに待ってます!!イベント参加ありがとうございました🙇‍♀ (8月5日 12時) (レス) @page37 id: 90fd568f40 (このIDを非表示/違反報告)
ユキラ - 了解です (8月4日 20時) (レス) id: 2a204edd5e (このIDを非表示/違反報告)
霙。(プロフ) - ユキラさん» コメントありがとうございます!大丈夫です。出る時にめちゃくちゃ出ます。 (7月27日 22時) (レス) id: 592ea7c460 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:https://lit.link/p0y0z0  
作成日時:2023年6月20日 21時

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