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お風呂を借り、更には夕餉まで頂いてしまった。

親父は久しぶりに会った煉獄さんのお父上とお話するらしく、俺達の前から姿を消し。

夕餉の片付けをしている千寿郎くんのお手伝いをしようとしたが客人なので、と断られてしまった。

縁側で足をプラプラさせながら月を眺めていると後ろに人の気配。

ちらりと振り返ると壁に体を預け、こちらを見ている煉獄さんがいた。

『…失礼なことをお聞きするんですが、煉獄さんはおいくつなんですか』

煉「ん?そうだな、俺は今二十歳だ」

答えながら隣に腰掛ける。

20歳。

随分と若い歳で柱になられたんだな。

俺には全然、縁のない世界だと思っているが。

煉「…ところで、染殿少女。君は刀を握ったことはあるか?」

暫く沈黙のあと、そんなことを聞かれる。

刀を握ったことなど生まれてこの方、一度もない。

親父に鬼から身を守るためにと体術をこれでもかと教えこまれたが。

嫌気が差して逃げ惑った時期もあったな……。

遠くを見ながらナイデスネ…と答えるとそうか!と元気のいい返事が返ってくる。

煉「ならば俺の継子になり、鬼殺隊に入る気はないか?」

何がならばなの?????

継子?ってなんだっけ。

親父がポソポソ漏らしてたのが…継子は柱の跡継ぎのようなもので、引退、または死亡したとき充てがわれるいわば代替じゃなかっただろうか。

??刀すら握ったことない女に継子になれと?

『…親父が、元鬼殺隊士だったのは知ってます。ですが、俺は刀を握ったことなど一度もございません。どうしてそう思ったのですか』

煉「ふむ。なぜ、か!そうだな、俺達のような柱は音も立てず背後に立つことができる。ただの一般人ならば、それに気付かない筈なのだ。だが、君は気付いた挙句俺に蹴りを繰り出した。それが見込んだ理由になる」

『ンオッフ……………』

にこにことこちらを見ながら話す煉獄さんの顔には拒否権はないとでかでかと書いており、コレは頷かないと平行線のままだな、なんて思った。

『…俺で、良ければ』

煉「うむ!それでは宜しく頼む!染殿少女!」

ここから、住み込みで鍛錬する日々が始まるのだった。

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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 女主   
作品ジャンル:恋愛
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作者名: | 作成日時:2021年1月20日 0時

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