零 ページ2
俺の一家は代々絵を描き、鬼を滅する一家だ。
鬼なんてものは見たことないし、聞いたこともないけれど。
鬼を滅するためには、日輪刀と言う名の刀が必要らしく、それでないと頸をきっても意味が無いらしい。
ちっせえときから聞かされ続けたそのお話をハイハイ、と受け流していたあの頃の自分を殴りたい。
『親父はよたて!!!食われる!!』
足を怪我した親父を担ぎ上げ、急いで走る。
ちょっと隣町まで遠征というか、依頼をこなしに行っていたその帰りに見たこともなかった鬼という存在を知る事になったのだ。
親父に今日輪刀持ってないんか!?と聞くと、日没までに家に帰れると思っていたらしく持ってきていないと言っていた。
だから家出る前に何回も確認したっつーのに!!!!!
この!!!ポンコツ親父はよぉ!!!!!
ちなみになんで俺が親父を担ぎ上げて走れてるかって?
普段から鍛錬してるから!!です!!!
おかげで女の子だけど筋肉ついてんぜ!!!
自分のこと俺とか言ってるけど女だから!!
一応!!!
あと年齢言ってなかったね!!今俺、17歳!!
みんなの世界で言うところのJKってやつ!!
学校行ってないからそんなもんとは無縁だけどなァ!!!
ちなみに親父は煉治っていいます!
れんじ!!!!!レンジじゃないよ!!
れ「A!!!そのまま右に曲がれ!」
『右に曲がってどうすんだよォ!!こっち獣道じゃん!危ねえぞ!!』
れ「いいから入れ!!この馬鹿娘!!」
『うるせえええええ!!!!ヘマして怪我してその馬鹿娘に背負われてんのは誰だァ!!!』
れ「担いでるの間違いだろ!!!」
『そんなとこ訂正しなくていいんだよ!!!入るぞ!!!顔伏せろ!!』
獣道に入れとか言うから入ってそのまま真っ直ぐ突き進む。
鬼は体がデカかったため、追ってくるのもひと苦労しているみたいだ。
このまま撒けるんじゃ?とか思ったけどそれを考えてるのがバレたのか親父に頭を叩かれる。
ただそのまま真っ直ぐ行け、そしたら、とかなんか独り言言ってる。
そう、親父は今でこそ絵を描く専門として依頼を受けては描きに行っているが昔は鬼殺隊の隊士として活躍していたらしい。
だから人の気配、鬼の気配を察知できる。
れ「このまま真っ直ぐ行くんだ。この先に、柱がいる」
『柱ぁ?なにそれ』
れ「無駄口叩かんとはよ走れ!!」
『やかましい!!』
俺の足が開けた場所につくかつかないか、のとき。
上を誰かが飛び越えて行った。
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作者名:煽 | 作成日時:2021年1月20日 0時