暗闇の世界で愛を誓う

5番目　〈永遠に。〉 ページ16

『…ーでね？』


姉貴は優しい。


5「…あぁ、それでどうなったんだ？」


だが、それは他の奴に対しても一緒だった。



__今日は久しぶりに、オレと姉貴だけの時間ができた。
だから、今は姉貴と二人っきり。

『それから1番目が〜…』

5「…」

オレは足がない。
その事を姉貴もよく理解してくれている。

移動も、歩くことさえオレはできない。
姉貴はそれを気遣ってか、その日あった出来事を話してくれる。

でも、オレはそれが気に入らなかった。
別に姉貴を責めているのではない。

姉貴のすること全てが、オレのためにやってくれている
ことだって知っているから。
オレが気に入らないのは、姉貴が話す話題のこと。

姉貴はいつもあいつらのことばかり話す。
少しはオレに構ってくれたりしてもいいんじゃないか。

__少し前のことだ。

その日の姉貴は、今と同じようにオレの隣で話をしてくれていた。
話していたのはオレの弟である6番目のことだ。
姉貴は6番目と遊んでいたらしい。

__頭を撫でたら、すり寄ってきて可愛かったんだよ

オレも頭を撫でてほしい。

__抱き締めたらポカポカしていた

オレも抱き締めてほしい。

__抱っこしたまま、二人でお昼寝をしたんだよ

オレも姉貴とお昼寝をしたい。

__本当に可愛いよね〜

…オレも褒められたい。

別に6番目を恨んでいるのではない。
あいつはオレにとっても、可愛い弟だから。
ただただ羨ましいのだ。

姉貴の中に写っている、あいつが。

『……5番目、どうしたの？』

5「…姉貴…」ｽﾘ…

『どうした？』ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

5「…寂しい。」

姉貴は隣にいるのに、心臓のないはずの心は、何故かぽっかりと穴があいたまま。

『…寂しかったんだね、ごめんね。_____。』





__これからはずっと一緒だよ。

…うん。

"ずーっと"、一緒だよ。姉貴？
もう、どこにもいかせない。

…ダイスキ。



END 〈…"ずっと。"〉

6番目　〈お姉ちゃん。〉→←4番目　〈奇形のミリョク？〉　another story。

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