神とニンゲンの狭間 (ページ20)

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そのまま意識を失った優一郎は病院へと運ばれた

3階から落ちたが脱臼で済んだため、命に別状はなく、Aたちは優一郎が目覚めるのをただ待っていた

眠っている間、時折優一郎は涙を流す

あの日のことを夢に見ているのだろうか

ミカエラや茜、子どもたちが夢に出てきて、優一郎に別れを告げているのだろうか

以前、優一郎は言った。目を閉じるだけで、いつもあの光景が思い浮かぶ、と

大切な友達、仲間、家族の笑顔

そして_____________

その家族を、吸血鬼に殺される光景

Aもあの日以降、優一郎と同じ夢を見る

あの日の光景が瞼の裏に焼き付いて離れない。目を閉じるだけで、脳裏に浮かんでくる

きっと、今、目の前で涙を流したまま眠っている優一郎は、家族の夢を見ているのだろう

与一「う...百夜くん.....｣

与一「Aさん、シノアさん!! 百夜くんが目を覚ましましたよ!!｣

ふと、優一郎に目をやると、彼は、腕を天井に向け手伸ばしながら、泣いていた

どうやら、家族の夢を見ていたというのは、当たりのようだ

シノア「あ、起きました?｣

『おはよ』

優「....｣

シノア「では、新しい制服を渡しておきます

ちゃんと友達が作れたので、今日付けであなたがたは吸血鬼殲滅部隊に配属されることになりました

となると私たち、あなたの大嫌いな“仲間”ですねぇ｣

『ようこそ、月鬼ノ組へ』

差し出した手を惚けたまま、見つめる優一郎

与一「ねね、百夜くんも....｣

優「.....んだよ、それ...

クソ...................よろしく｣

優一郎は顔を赤く染めながらも差し出された手をにぎゅっ、と、握った

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