◎ モーニングコール [黒] ページ43
青 side
高3のクラス替えで見事同じクラスになった幼馴染6人組。幼稚園の時、親同士が仲良くなったのがきっかけで今でも家族ぐるみで仲がいい。
休み時間は、窓側の席の北斗とジェシーと俺の所に6人ぎゅっと集まって他愛もない話をして過ごすのがお決まり。
慎太郎とジェシーがボケて、俺とこーちがすかさず突っ込んで。きょもはそんな俺たちを微笑ましく見守っている。話に入れ、とは言うのだけれど本人は見ているだけで楽しいらしい。
今日も教室にジェシーのアメリカンな笑い声が響いて、俺たちもつられて笑う。
そんなやり取りの片隅でたった1人。ぼんやりしながら弁当箱を漁っている北斗が目に入った。
青「……ほくと?ほくと!……眠いん?」
まだ2限目の終わりだと言うのに覚束ない手つきで弁当を広げ始めていた北斗の肩を叩いて顔を覗き込む。
黒「……っ、…んぁ、じゅり、?」
今にもこぼれ落ちそうなほどとろんとした眼差しで俺を見つめる。数秒してやっと自らの手元を見て状況を把握したらしい。
笑い声はいつのまにか止んでいて、5人分の心配の視線が彼に集まる。
黒「……へいきだよ、へへ、」
北斗は頬をぽりぽりと掻いてから弁当を再びランチョンマット代わりのバンダナでくるんだ。
赤「んもー、ほくちゃん!食いしん坊!HAHA!!」
黒「…そだよねぇ、ごめんね、みんなぁ、しっかりしなくちゃね…」
笑いながらもその表情に不安が被さったままの北斗を見てすかさずジェシーが軽くいじってくれる。
こういう時のジェシーは、さりげないフォローがとても上手だ。
けれど、またかくんかくんと船を漕ぎ始めた北斗を見てやっぱり限界だったのだと悟る。
青「ほくと、無理しないでいーよ。授業始まる時起こすから…な?」
黒「……んぅ、…」
青「うん、ゆっくりもたれな。おやすみ。」
眠気でグラグラの北斗の上半身を支えて、そのまま机に突っ伏させる。既に北斗は夢の中だ。
すやすやと眠った彼を起こさぬように、俺たちは少し声のボリュームを落として会話した。
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ばにら(プロフ) - 朔さん» 朔さん、ご愛読ありがとうございます。そして、毎日お勉強お疲れ様です(^^) 朔さんの心の拠り所を作ることのできるようにこれからも頑張ります…!嬉しいメッセージありがとうございました✨ (2021年12月4日 16時) (レス) id: 3fbbdbace9 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - 受験生なので勉強の休憩に読まさせて頂いてますが本当に全部素敵で、とても綺麗です。これからも無理のない程度に投稿頑張ってください* (2021年12月4日 11時) (レス) @page4 id: 11e35a6fc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ばにら | 作成日時:2021年12月3日 0時