◎ 分け合う ［桃］ ページ21
「モールス」の世界線
黒 side
『…樹、もう行くの？何時に帰ってくる…？』
「もー大我、そんな顔しないの。北斗だって居るし大丈夫。今日の夜には帰ってくるって。」
正直、あの日から俺たち双子の関係に何か進展があったかと問われると答えに迷う。
なんとなく前の気まずすぎる時よりかは、同じ空間に居ることも互いに受け入れていたし。
でも、樹の休日出勤にあからさまに不貞腐れている姿を見るとこちらだって心が痛むさ。
そんなに俺と2人が不安？それとも不満？
ご主人を見送る子犬みたいに玄関まで樹を追っかけていった大我。
玄関から冒頭の2人の会話が丸聞こえで、かなり自信が削がれてしまった。なんとなくでも近づけたと思っていたのは自分だけだったのかな。
樹が出かけていった音が聞こえて、大我がとぼとぼとリビングに戻ってきた。
「……飯、どうすんの」
これが俺の精一杯。頑張った方だと思う。
『あんま、腹減ってない。』
「ふーん、そ。」
『…どこいくの？』
「勉強すんの。期末もうすぐだし。だって飯要らないんだろ。」
どうせなら飯作ってやろうかなんてさっきそわそわ冷蔵庫を見ていた自分が恥ずかしい。
あの日はただ大我が弱ってたから俺に頼っただけ。本当は樹だけ委ねていたいであろう気持ちが見え見えで、俺は自室に逃げ込んだ。
スクールバッグからぶっきらぼうに教材を取り出して広げてみる。……アイツ今回、勉強追いつけてんのかな。
とふと思い出したが、首を振って邪念を振り払う。
大我は俺の助けなんて必要としてないんだから、お節介焼くべきじゃない。
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ばにら(プロフ) - 朔さん» 朔さん、ご愛読ありがとうございます。そして、毎日お勉強お疲れ様です(^^) 朔さんの心の拠り所を作ることのできるようにこれからも頑張ります…！嬉しいメッセージありがとうございました✨ (2021年12月4日 16時) (
レス) id: 3fbbdbace9 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - 受験生なので勉強の休憩に読まさせて頂いてますが本当に全部素敵で、とても綺麗です。これからも無理のない程度に投稿頑張ってください* (2021年12月4日 11時) (レス) @page4 id: 11e35a6fc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばにら | 作成日時：2021年12月3日 0時
