・ ページ2
緑 side
とは言っても、兄はもうほとんど喉元の筋肉がうまく動かない。
食事は専ら、すり潰したペースト食に切り替わっている。
机に並べられたオードブルや、ピラフ、サラダやケーキも。どれもこれもこのままの見た目で食べる事はできないことを分かっていながら俺はそのままに配膳した。
……自分の中にある変化を受け入れたくない気持ちが、そうさせてしまった。
「兄ちゃん、何食べたい？」
『……けぇき、』
「うん、わかった。今用意してくる。」
俺が選んだのは、ごく普通のショートケーキ。ホールごと、どかんと置いてあったソレをキッチンまで運んで今からすり潰さなければいけない。
『……しんたろ、そのまま。』
「…え？」
『そのままで、たぇたぃ……』
「でも、」
�猝詰�だよ�瓩噺世�うとしてやめる。
___ 人が何かできなくなる時って、自分で壁を作った時なんだと思う。
___ だから俺、今日も歩いてみるよ。転んでも、歩こうとしたことに意味があると思うから。
脳裏から急に兄の言葉が蘇ってきた。病気になっても常に前向きに事に取り組んできた姿。
仕事をやめる、杖をつく、車椅子に乗る。
闘いの途中で何度も選択をしてきた兄。けれど、その選択をせざるを得なくなる直前まで彼は自分自身と向き合っていた。
ひょっとしたら兄はまだ、�狄�べる�瓩海箸鯆�めていないのかもしれない。
俺がそうさせただけで本当はまだ岐路の前で立ち止まっているだけなのかな。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 711人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ばにら(プロフ) - 朔さん» 朔さん、ご愛読ありがとうございます。そして、毎日お勉強お疲れ様です(^^) 朔さんの心の拠り所を作ることのできるようにこれからも頑張ります…！嬉しいメッセージありがとうございました✨ (2021年12月4日 16時) (
レス) id: 3fbbdbace9 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - 受験生なので勉強の休憩に読まさせて頂いてますが本当に全部素敵で、とても綺麗です。これからも無理のない程度に投稿頑張ってください* (2021年12月4日 11時) (レス) @page4 id: 11e35a6fc0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ばにら | 作成日時：2021年12月3日 0時
