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青 side
2人だけの夜のお散歩。
この時間、誰も外に出ている人は居なくて街灯に照らされた道を大我の温度を感じながらのんびり歩く。
青「大我、どう?最近。友達できた?」
桃「…うん。できたよ。クラスのみんなとお友達。」
青「そっかー、流石だな。じゃあ楽しいね。」
桃「楽しいよ。…でも、」
そこで言葉に詰まった大我。やはり学校で何かあったのには間違いないらしい。俺の読みは大体当たる。
青「…んー?言ってみな。にぃちゃんに。言うだけで楽になるもんだよ。」
桃「おれだけ、運動会の練習出られないから。ちょっぴり寂しい。…おれもはしったり、おどったりしてみたいなぁ。」
そっか。丁度、運動会シーズン。
練習真っ盛りの中、喘息を患う大我は、校庭の砂埃も大敵のため、保健室での見学が主。
その積み重ねが大我の心を圧迫していたのだろう。
双子の北斗ができていることが自分にはできない現実を飲み込むにはまだ7歳の大我には難しいこと。
青「よし、大我。ちゃーんとつかまっとけよ?」
桃「え、なに。なにするの?……わあっ、」
俺は大我を背負ったまま、家の前の一本道を全速力で走った。
桃「はやいっ、はやいよにぃちゃん!」
青「…どう?きもちーだろ。体で風を感じる感覚。」
桃「…すごい、走るってこんななんだ。」
後ろを振り返ると、俺にしがみついたままの大我がはじめての感覚に目を輝かせていた。
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作者名:ばにら | 作成日時:2021年11月4日 21時