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青 side
丁度、大学の午前のオンライン授業が終わって昼飯を食べようとしていた所で2人の学校から電話が掛かってきた。
どうやら大我が発作を起こしたらしく、なかなか回復しないのでお迎えに来て欲しいとのこと。
学校で発作が起きても大体、吸入で治ることが多いから呼び出しがかかったのは久しぶりかもしれない。
急いで車を走らせて、小学校の保健室へと向かうとその空間はカオスと化していた。
黒「…ぅぅ〜っ、たいちゃんっ、…ぐすっ、」
大我がベッドで寝ている横で、何故かわんわん泣いている北斗。
青「もー、なんで、北斗が泣いてんだよ。」
黒「…だっでぇ、たいちゃん〜っ、」
青「わかったから、泣きやめって。」
まあ、これもよくある話。北斗は感受性が強いのか、人が苦しむ姿を見ると不安になって泣いちゃうんだよね。
特に大我が発作を起こしたときは顕著。
青「…大我?大丈夫?帰ろっか。」
桃「……ん、…けほっ、」
まだ少し安定していない呼吸と低いテンションから察するに相当体力を消耗したのだろう。
大我を抱き上げて、お友達が持って来てくれたランドセルも忘れずに持って。
俺の服の裾を掴んで、泣きっぱなしの北斗も一緒に連れて帰る事にした。
耳元でひゅるひゅると鳴る喉元が苦しそうで、俺は車に向かう足を早めた。
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作者名:ばにら | 作成日時:2021年11月4日 21時