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緑 side
「…んたろ、…たろ!……しんたろう!!」
微睡みを割くように飛び込んできたその声に、意識を引き戻される。
やっとのことで焦点を合わせると、そこには北斗がいた。
夢でも見ているのだろうかと、目を擦るがどうやらこれは現のようだ。
『……ぉくど、…なんぇ……』
黒「……慎太郎が急に休んだりするからだろ。すげえ心配した。慎太郎起きるまでここに居たいって頼んで上がらせて貰ったんだ。」
そしたら、お前急に俺とジェシーのこと呼びながら泣くんだもん。…黙ってられないよ。」
「具合あんまり良くないって慎太郎のお母さんに聞いて、マジで焦った。」
俺は昨日、北斗を自分から遠ざけた。それなのに、わざわざ俺の家まで。
黒「…ジェシーもさ、凄い心配してたよ。…俺のせいだって言ってさ。一緒にお見舞い行こうって言ったんだけど、慎太郎は俺に会いたくないだろうからって、帰っちゃった。」
「……修学旅行のことも、ジェシーは何も考え無しに言ってたんじゃないよ。」
北斗からそっと手渡されたのは、修学旅行のしおり。そっとページを捲ると、自主研修の欄に沢山の書き込みがしてある。
黒「あいつなりに考えたんだと思う。移動がなるべく減るように行程組んで、部屋もお風呂がついてる所になれるように先生に頼んでたみたいだしさ。」
ページいっぱいに詰まっていたのは、ジェシーからの純粋な優しさだった。
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作者名:ばにら | 作成日時:2021年11月4日 21時