微睡み 2 (ページ44)

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緑 side

次の日俺は、熱を出した。頭がぼーっとして、呼吸もうまく出来ずに朝一番に病院に行った。

でも、そうなったことに心のどこかで感謝している自分が居る。

昨日の今日で、ジェシーにも北斗にも合わせる顔がなかったから。

『…はぁっ…ん、……ふぅーっ、』

咳が出始めると、ベッドに横になるのも苦しくて眠れない。

『……んっ、くっ…げほっ、…』

咳が出るたびに止まらなくなって、母親が飛んでくる。背中をさすられた時に、ふいに北斗の掌の温度を思い出した。

ついに母の判断で鼻にカニューレがつく。…今の俺は健常からかけ離れた所にいる。

テレビの真っ暗な液晶に反射した自分が、あまりにも病人だったから、瞼を閉じた。

ぼんやりとした意識の中で、胸や腕をぬくもりが駆けていく。

心地よいその温度に包まれながら、ジェシーのことを思い出した。

この感覚は、ジェシーの笑顔を見た時の気持ちにそっくりだった。

『……ぉくと、…じぇしぃ、…』

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