微睡み 2 (ページ25)

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◎ ぬくぬく　［青］ページ25

青 side

高2の秋。受験前最後のお楽しみと言えば、の修学旅行。

旅行自体は凄く凄く楽しいのだけど、班別研修が終わってホテルに近づくに連れて膨れ上がる不安感。

部屋割りはクラスで仲がいい、いつもの5人と一緒でそこについてはなんら問題ない。

でも、手の中に収まっているお守り代わりの錠剤を見つめると自然とため息が出てきてしまう。

幼い時から睡眠障害が酷い俺は、自分の家でさえ満足に睡眠がとれることが少ない。

それなのに突然変わる環境と慣れない寝具と。

皆と一緒なのに、自分が頻繁に起きてしまうせいで迷惑をかけてしまったらどうしようって気持ちと。

それら全てが相まって、楽しい気持ちに分厚い雲がかかってゆく。

黒「…樹？気分悪い？」

青「っ、え？あ、いや全然！」

黒「そう？ならよかった。」

バスの座席で隣の北斗に顔を覗き込まれて、考え事が一時中断される。

赤「AHAHAHA！コーチィ〜っ、」

黄「おまえ、うるせぇな騒ぐな！」

赤「いいじゃんいいじゃん！修学旅行だし盛りあがろうよ〜」

桃「ジェシーはいつだってそのテンションじゃん。」

緑「ジェシーっ！心配しないで！俺がお供するよっ！」

後ろの座席で盛り上がる4人の会話が耳に入る。いつもなら自分も入っていける雰囲気なのに今は憂鬱な気持ちの方が強い。

盛り上がっている皆の邪魔をすることだけはしたくないとまた一層不安感が増した。

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