Want to live. Ⅴ (ページ10)

今日:1 hit、昨日:37 hit、合計:145,376 hit

・ページ10

涼介side

アップが終わればさらに体育館は熱気に包まれていた。

侑李「……なんだか僕、緊張してきちゃったぁ、」

涼介「大丈夫だよ。侑李はいつも通りやれば。」

試合開始の笛が鳴り、コート内を激しく駆け回る選手たち。

俺たちは体は小さいけどその分すばしっこいし、体力もある。

俺は大きな体の選手の間をすり抜け、シュートを決める。

でも、今日は体の大きい選手が多めなチームだから守備もデカくてチームメイトも手こずっている。

涼介「……ゆうりっ！！！パス！！」

何とかボールをパスして、ホッとしたのも束の間。大きな衝撃音が響いた。

驚いて目を向ければ、床に倒れ込む侑李の姿。

涼介「侑李！！」

審判の笛が鳴って侑李に駆け寄れば、どうやらパスをブロックしにきた相手チームの人と衝突し、吹き飛んだらしい。

相手の選手は侑李が軽かったこともあり、どうやら無傷の様子。

涼介「……侑李っ、平気か？」

侑李「…ごめんなさいっ、ぼくのせいでっ…試合、とめちゃって……っ」

侑李は周りから集まる視線に怯えてしまっていた。

侑李「ぼくがっ……ボーッとしてたからっ……」

涼介「大丈夫。侑李、大丈夫だから。とりあえず痛いところは？一回出るか？」

侑李「……で、できるっ！」

侑李は相手の人にペコペコ謝りながら自分の持ち場へと戻っていった。

俺は心配になりつつも、それ以上声をかける事が出来なかった。

・