Want to live. Ⅴ (ページ5)

今日:5 hit、昨日:37 hit、合計:145,380 hit

あめときどきかみなりページ5

こちらは「あした天気になぁれ」「あめのちはれ」の続編です。初めての方はそちらからどうぞ。

・

涼介side

侑李が以前パニックを起こしてから少し経って、やっと少しずつ前までの生活に戻ってきた。

あの後しばらく体調不良が続き、雨の日は布団から1ミリも動く事が出来なかったり、雨が降ってない日でも窓を開ける事が怖くなってしまったり。

でも宏にぃや慧にぃの協力もあって学校にも復帰して雨の日以外は普通に通学している。

・

ぴかぴかと太陽が照りつける梅雨明けの空。

長いこと雨が降っていたけど、そんなことを感じさせないほどの晴れ模様。

宏太「やっぱり俺、後日にしようか？」

慧「俺、時間ずらせないしなー、」

今日は祝日だけど宏にぃは会社の会議、慧にぃは医師研修、さらには俺も学校の委員会で臨時招集がかかってしまった。

つまり、侑李を家に1人残して行かなければいけない。

侑李「僕平気だよ。今日は晴れてるし。みんな頑張ってね」

侑李の辛い日々を知っているからこそ晴れている日でも1人にするのは気が引ける。

それはきっと兄たちも同じだ。

涼介「じゃあ気がまぎれるようにヘッドホンしてゲームでもしてな？気分が悪くなったらすぐに俺に連絡して？」

侑李「もー、みんな過保護すぎなんだってば。へーきだって。」

慧にぃが侑李がパニックになった時に飲む錠剤をダイニングテーブルに置いたのを確認し、3人とも玄関へ。

『いってきます』

先に兄たちが外に出たのを確認して後ろを振り返れば少し不安そうな侑李。

侑李「…………なるべくはやく。帰ってきて……」

俺の制服の裾をちょこんと掴んで俯いている。本当は1人の環境がちょっぴり怖いんだろう。

涼介「うん。マッハで帰ってくるよ。いってきます！」

頭を撫でながらそういえば裾から手が離れて、ふんわりと笑った。

外に出た途端に照りつけてきた日差しを手で遮りながら俺は家を後にした。

・