hope ページ33
慧(35)大貴(14)涼介(8)
大貴side
「おにいちゃん！」
お前がそうやって俺を呼ぶたび自分が惨めに感じたんだ_____.
・
涼介「おにいちゃん！おはよう！」
何度お前の声を鬱陶しいと思ったか分からない。
慧「涼ちゃんおはよ〜！」
涼介「あっパパもおはよう！！」
慧「大貴も朝の挨拶はしっかりしな〜」
いつまでも能天気な父親。
元はと言えば父親がこんな性格だからいけないんだ。
慧「涼ちゃんお茶碗もってける？」
涼介「うん！涼、お手伝いできるよ！」
朝から暑苦しい家族に嫌気がさして俺は席をたった。
携帯電話を触りながらリビングを出ようとすると食器が割れる音。
慧「涼ちゃん！！」
ダイニングテーブル近くのフローリングに涼介が横たえていた。
涼介「……〜っん、んーぅ………んーっ、」
涼介を割れた茶碗から急いで遠ざけて、必死に体をさする父。
慧「大丈夫だよ。涼ちゃん。パパいるからね。」
涼介の体が大きく揺さぶられるこの現象は幾度となく目にしてきた。
涼介「……っけ……….ぅぇっ……っ……」
慧「よくがんばったよくがんばった。いい子だよ涼ちゃん。」
発作が終わると無意識下での嘔吐が始まる。
慧「大貴、救急車呼んで！」
涼介の酸素濃度を測った父さんは血相を変えて俺に指示。
しばらくするとサイレンが聴こえて涼介は父さんと共に運ばれていった。
俺はたった1人部屋に残され、涼介の吐いたもので汚れた床を掃除するのだった。
・
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作者名：あむ
| 作成日時：2020年5月1日 16時
