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心の糸 ページ29
侑李(14)大貴(14)幼なじみ設定
大貴side
大貴「侑李はどっちが食べたい？」
侑李「……僕はなんでもいい。」
大貴「侑李が決めていいんだよ。」
侑李「…….分からない。」
大貴「そっか。じゃあ半分ずつにしようね。」
幼なじみの侑李は生きることへの執着が薄く、何に対しても興味を持てない。
食べることや何を身につけるか、排泄や睡眠だって俺が促してやらなきゃずっと何もせずにいる。
小学校低学年の時はまだ侑李は自分で意思を持って行動していた。
明るくて甘えん坊でどこまでも俺の後ろにひっついてきた。
でも小学5年生に上がったすぐの時に担任の先生から言葉での暴力を受けてから心を閉ざして自分の世界に入ってしまったのだ。
俺意外の人間への恐怖心が大きく、とても1人では学校に来られない。
俺は1日でも早く侑李がまた自分で色々なことを選択できるように支えている。
大貴「どう？美味しい？」
侑李「……分からない。」
でもスプーンを手放さないところから見ると口に合わない訳ではなさそう。
大貴「ふふっ……侑李はいつでも可愛いなぁ」
俺が頭を撫でても反応することなく料理を口に運び続ける侑李。
大貴「大丈夫。俺がずっとそばにいるから。」
少しでも温かい気持ちが彼の心に宿るように彼の目を見つめてそう言った。
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作者名：あむ
| 作成日時：2020年5月1日 16時
