Want to live. Ⅴ (ページ22)

今日:6 hit、昨日:37 hit、合計:145,381 hit

一生一緒ページ22

大貴(14)涼介(14)双子設定

大貴side

大貴「おはよう涼介。具合悪いとこない？」

涼介「お、おはよっ……へ、へっ、へいきだよ」

俺の朝は双子の弟の体調チェックから始まる。

涼介は幼い頃から体が弱いけど吃音症のこともあり自分のことはあまり話してくれない。だから俺が気がついてやらないといけない。

物心つく前から、涼介は普通の子とはちょっと違うなと感じていた。

それでも涼介が俺の大切な弟である事もこの世でたった1人の家族である事にも変わりないから、涼介と向き合おうと決めた。

朝食を食べ終えてから、学校の支度をしたらもう家を出る時間。

大貴「涼介。そろそろいくよ。ほらカバン持って」

涼介「ぼ、く…….も、もっかい、か、か、確認したい…」

これは涼介の心が不安定な証拠。前日に何度も確認した持ち物だって、確認しないと気が済まないみたい。

ここで涼介を否定するともっとパニックを起こすから一緒に鞄を開けて持ち物を並べる。

大貴「どう？全部あったね。」

涼介「う、うんっ…あった……」

大貴「よしっじゃあ行こっか。」

涼介の左手はセーターの袖口を伸ばしてきゅっとブレザーの裾を掴んだ。俺は俯く涼介の右手を取って歩き慣れた通学路を進んだ。

・