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大貴side
山田くんはとてもいい人だった。
不思議と俺も気持ち悪さを抱かない。
そんな人初めてだった。
涼介「そうなんだ。辛かったね。」
大貴「でも、なんでかわからないけど山田くんは平気だよ。」
そして、今まで誰にも受け入れてもらえなかった自分の感情が理解された事が何よりも嬉しかった。
大貴「山田くんは、ずっとここにいるの？」
涼介「まぁね、」
大貴「授業は……？」
涼介「んー、今更やってもねぇ。」
苦笑いを浮かべる彼。
この話は突っ込んでは行けないと心が感じた。
俺の体を理解してくれる人がいるなんて初めてのことだったから、今までの辛かった事、親や兄弟の愚痴を全て話してしまった。
でも俺が話している間、ずっと相槌を打ちながら聞いていてくれた。
大貴「今日ここに来て良かった。」
涼介「俺、いつでもここにいるから来てよ。暇だし。」
最悪な1日の始まりが最高な出会いを導いてくれた。
出会って5日も経てば俺たちは絆が深まり、俺も彼を下の名前で呼ぶようになった。
大貴「え！？涼介って三年生なの！？」
驚くべきは彼が先輩だった事。
背丈も俺と同じくらいでかわいい顔つきしてるから全然そんなふうに見えない。
大貴「…全然、見えない、」
涼介「なにそれ、ちょっとディスってる？」
嫌だった学校はいつしか楽しみになっていた。
下駄箱が少し混んでいても、階段を駆け上がってドアの向こうに行けば涼介がいる。
涼介に会えば嫌な事はなんだって忘れられた。
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作者名：あむ
| 作成日時：2020年5月1日 16時
