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侑李side
慧ちゃんは家族がいない僕にとって、弟みたいなもの。
無邪気で人懐っこくて可愛くて。
出会って3年だけど、泣いたところを見たことあるのは一度だけ。
車椅子生活が言い渡されてしまった日の夜。
慧ちゃんのパパとママは忙しくてなかなかお見舞いに来れないから、僕たちの部屋に来て遊ぶことも多い。
言わないだけで本当は寂しんだよね。きっと。
侑李「慧ちゃん今日は何する？」
慧「とらんぷ！しんけんすうじゃくするの」
神経衰弱と言えないところが可愛くて仕方ない。
そしていつも負けるのにまたそれを選ぶあたり。
裕翔「えーまたー？慧ちゃん弱いじゃんかよ」
慧「きょーはかつ！！やるのー！！」
・
・
侑李「あーここ覚えてたのにぃ！！とるなよ裕翔！」
裕翔「へへーんだ！取らないのが悪いんだぞ〜」
とったカードを目にすると差は歴然。
結局慧ちゃんは0枚のままゲームは終盤。
下唇を噛み締めて涙をこらえてる。
そろそろくるかな。いつもの金切り声。
いつもこのあたりで慧ちゃんは、きーーっと声を上げて泣き出すのがオチ。
僕も裕翔も警戒しつつゲームを続ける。
でも今日はいっこうに泣き出さない。
裕翔「ほら慧ちゃん！チャンス！あと2枚！」
チャンスどころかもうそれを返すしかない。
侑李「慧ちゃん？どしたの？」
僕を顔を覗き込んだ途端に慧ちゃんの体が前に傾く。
侑李「おわっ！慧ちゃん！」
裕翔「侑李！慧ちゃん、顔真っ青だ！」
僕の肩で支えられた顔を覗き込んだ裕翔は急いでナースコールを押した。
慧「んんっ……はぁ。はぁ……」
グデっと力が抜けた体は慧ちゃんと言えど、重い。
侑李「慧ちゃんがんばれ。もうちょっと！！」
裕翔「だめだよ！慧！！目、開けて！！」
意識を手放しそうな慧ちゃんのほっぺを裕翔がペシペシと叩く。
光「おいっ！！どっちだ！！」
息を切らしながらはいってきたひか。
僕か裕翔が発作を起こしたと思ったのだろう。
侑李「慧ちゃんが！！」
光「ちょっと見せてな。」
僕が支えていた体をひかに預けた。
光「慧くん？慧くん、きこえる？わかるかな？」
ひかは肩を叩いて呼ぶけど、慧ちゃんは既に意識を手放してしまったようだ。
その後、到着したストレッチャーに慧ちゃんを乗せて行ってしまった。
途端に怖くて俯いた僕の手を、そっと裕翔が握ってくれた。
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凪(プロフ) - まちゃさん» 嬉しい感想ありがとうございます！はじまりのメロディ読ませて頂いているのでコメント頂けて光栄です、、！ (2020年1月25日 18時) (
レス) id: 1693d0e47d (このIDを非表示/違反報告)
はっちゃん - ヒカリを読んで、0or50も読んで、最後に目頭が熱くなりました。明日読んだら…泣いちゃうかな。笑い これからも頑張ってください! (2020年1月21日 20時) (レス) id: 0d57913dc4 (このIDを非表示/違反報告)
まちゃ(プロフ) - ありやまの時のヒカリから見ていましたがすごい感動しました！友達の大切さもわかります！この小説も前作もとても素敵なお話でした！ (2020年1月17日 21時) (レス) id: a73d88ca23 (このIDを非表示/違反報告)
凪(プロフ) - なつめろさん» そのような感想を持っていただけて本当に嬉しいです、！ありがとうございます。 (2020年1月10日 23時) (レス) id: 1693d0e47d (このIDを非表示/違反報告)
凪(プロフ) - 僕としーちゃんさん» 嬉しい感想ありがとうございます！次も頑張ります、、！ (2020年1月10日 23時) (レス) id: 1693d0e47d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あむ
| 作成日時：2019年7月16日 12時
