カラフル 2 (ページ21)

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宏太side

宏太「大貴っ！」

大貴「……ぅ゛ううう！うるさいっ、！うるさい！！…っ、ﾋｯｸ…いやだよっ、…」

その3日後。お昼前に大貴が学校で手をつけられないほどに泣いていると連絡が入った。

父には連絡がつかなかったらしく、俺の携帯電話に連絡がきて、そのまま学校を早退してきた。

先生のあまりの焦りように、とんでもない事が起きていると察知した俺。

学校に行けば、廊下で先生2人がかりで抑えられながら苦しそうに泣く弟の姿。

兄バカだから、とかそんなんじゃなくて。

その光景がひたすらにショックだった。

大貴「ぅぁあぁあっ、」

怒りの感情が湧いてくるばかりか、大貴に申し訳ない気持ちが募る。それと共に、薄々感じていた考えが今確信に変わった。

大貴が必要とする環境は、〝ココ〟ではない、と。

大貴「ぅる、さいの、っ、うるさい、うるさい、」

宏太「そっか。うるさかったんだ。それは嫌だったね。」

俺には何があったのかは分からない。けれど今この状況では、大貴が完全に悪者だった。

でも俺だけは、この子を受け止める存在でありたいと思ったから、そのままの気持ちを受け止めようと努力した。

きっと今まで沢山我慢してきたんだよね。

振り返れば、大貴にふさわしい場所を探すきっかけなんて山ほどあったのにな。

大貴の手に握られた大学ノート。

数字と漢字と歴史の単語。罫線を無視してまばらにごちゃ混ぜに書かれたそのページを見て、俺は少し泣いてしまった。

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