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侑李side
もう自分でも感情がめちゃくちゃでその場で崩れ落ちるように泣いた。にーちゃんは相変わらず何も言わずそこに居た。
けれど、急ににーちゃんがすくっと立ち上がる。
玄関のドアが開いた音が聞こえるのに、1秒もかからなかったと思う。にーちゃんが僕の横をすり抜けて玄関の方に走っていく。
[ただいま〜!慧!いい子にしてた?]
慧「んあっ!ん!ん!っ!」
僕も立ち上がって玄関にふらふらと歩いていくと、そこには母さんが立っていた。顔を見たら今までの緊張が一気に解けて、拭っても拭っても涙が次々と溢れ出してくる。
[うわぁ、慧すごい隈じゃない。体も軽くなっちゃったし…もう、]
母さんがにーちゃんをそのまま寝室に誘導して行ったのが見える。暫くすると母さんは1人で部屋から出てきた。
[侑李。ただいま。]
侑李「かあさんっ、」
[もー、どうしたの。慧も侑李も揃って泣いて。]
僕は母さんにぎゅっと抱きしめられてもっと泣いてしまった。安心する匂いと温度。
[ありがとね、侑李。大変だったでしょう。慧があんなにころっと寝るほど疲れてるんだもん。苦労したでしょう。]
侑李「ぼく、ぜんぜん、じょうずに、できなくてっ……やっぱかあさんじゃなきゃっヒック…だめでっ。………あい、た、かった、」
[私も。ずっとずっと慧と侑李に会いたかった。ごめんね、寂しい思いさせて。]
[明日は慧も侑李も学校休んじゃえ!みんなでゆっくりしちゃおっか。2人ともよーくがんばったからね。]
疲れているだろうに、にひひっと若々しく笑う母さんを見て、やっぱりこの人のことは一生越えられないなと強く確信した。
「あまいろ」/ end
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作者名:あむ | 作成日時:2021年10月29日 16時