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光side
デイに来るみんなを乗せたバスが今日も時間ピッタリに駐車場に到着する。
一人一人とハイタッチしながら、1番最後のサインである鈴の音を待つ。
けれど待ち侘びた音は聞こえなくて、代わりに中から添乗員さんが慌てて降りてきた。
バスの中に呼ばれて中を覗き込むと、1番後ろの座席でぐったりしている慧くん。どうやら支援学校でいつも以上に泣いて疲れ切ってしまったんだとか。
光「慧くん、お疲れ様。よく来てくれたね。」
シートベルトをしたままの慧くんに声をかけると、今にもこぼれ落ちそうな程潤んだ瞳と目が合う。瞼は真っ赤に腫れちゃって、綺麗な二重幅が今日は行方不明だ。
光「中でゆっくり休もうね。向こうまで頑張れるかな?」
手を差し出すと、自分の手を絡めて握ってくれた慧くん。俺は体をしっかり支えてあげながら一緒にバスを降りた。
室内に入ると、他の職員さんも慧くんの様子を察したのか今日はつきっきりでいいと言ってくださる。
そのまま部屋の隅に行くと、慧くんは俺の膝の上に乗りそのまま腕の中にすっぽり収まった。自意識過剰かもしれないけれど、慧くんは俺の膝が好きだと思う。
そのことを以前ノートに書いたら、私と肉付きが似ているからかもしれないとお母様からお返事を貰った。
大好きなお母さんがいない状況下で少しでも慧くんが安心できたらいいなと思いながら背中を摩る。
今日は昆虫探しもお楽しみのおやつの時間もお休み。しばらく2人で揺られていると、腕の中からくーくーと可愛い寝息が聞こえてきた。
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作者名:あむ | 作成日時:2021年10月29日 16時