カラフル 2 (ページ3)

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侑李side

〈食べたいの？〉

母さんが問いかけると、にーちゃんはしばらく唸ってから、ずっと手に持っていたアイスクリームを僕に渡した。

何が起こっているのか分からず、手の中の冷たさをただ感じる。

すると目の前からすっと手が伸びてきて僕の額にぴたりと触れた。

〈…侑李、ちょっとこっち。〉

〈侑李あんた熱あるね。〉

隠し通せたと思っていた体調不良があっさりと見抜かれて僕はうろたえてしまう。

侑李「えっ、」

〈駄目、無理したら。今日は休みなさい。〉

〈慧が教えてくれなきゃ気が付かなかった。〉

僕は母さんの手によって寝室に連行される。その間もずっと、にーちゃんは僕の隣に着いてくる。

侑李「母さん、にーちゃんが教えたってどういうこと？」

〈アイス、持ってきたでしょう。慧が具合悪い時によく食べさせるから。多分それを思い出して教えてくれたんだろうね。〉

今日僕は朝起きて、にーちゃんの前で一度も具合が悪いなんて口にしていないはず。

それににーちゃんに言ったとて理解はできないと思っていた。

〈慧は自分から伝えられない分、人のことをよく見てる。この人は自分に優しくしてくれるかなとか、今は怒っているのかなとか。〉

〈だから多分口に出さなくても、侑李の様子が違うことがわかったんだろうね。〉

〈まぁとりあえずゆっくり休んで。疲れがでたんでしょ。〉

侑李「…うん。ありがとう。にーちゃんも、ありがとうね。」

ベッドに横になると、やはり体は正直で。

すーっと意識を奪われていった。

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