10 __ 労わる ページ44
光side
慧さんの病状は一進一退という感じ。
会話もそれなりに出来て、外にお散歩に行ける日も有れば無気力になって一日中天井を見てぼーっとしている日もある。
大貴くんが慧さんの様子を見に来る時は何故かいつも後者の日だ。
呼びかけにも応じず、ただふわふわと漂うような意識の中にいる慧さんを見つめて哀しそうな顔をする。
「調子の良い日は、お花を見に行ったりもするんですよ。慧さん、大貴くん来てくれてますよ。」
まだ慧さんの元気な姿が残されていることを伝えようと俺は慧さんに呼びかけてしまう。だって、もどかしいから。すれ違う2人が。
けれど大貴くんは決まって「元気な日があるならそれでいいんです。僕の前で見せてくれなくたって。」と無理して笑うのだからこちらも何も言えない。
慧さんの頭の中からは日々色々な物事が抜け落ちて行っていると思う。
食事を摂ったこと、昨日の天気、道端に咲く小さな花を見つけて微笑んだことも。
でも大貴くんが慧さんの中で生き続けていることだけは胸を張って言えた。
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朝光 - 初コメ失礼致します!群青のパスワードをお教えして頂きたいのですがよろしいでしょうか? (2022年3月7日 23時) (レス) id: 13ebdf4ed8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あむ | 作成日時:2021年9月30日 15時