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慧side
15年前、親友が交通事故で亡くなったと連絡を受けて葬儀に出向いた。
閑散としているはずのその場所では、何故だか数人の大人が集まってなにやら話していて。
今でもその光景は覚えている。
会話を聞けば、遺された彼のたった1歳の子供を押し付け合うような酷い言葉が聞こえてきた。
親友夫婦は若くして大貴ができたものだから、両家の反対を押し切って駆け落ちまがいになっていたらしく、親戚との縁はほぼなかったようだった。
親友が眠る前でそんな話をしているのを聞いていられなかったのもあるし、あいつがどれだけ息子に愛を注いでいたかは知っていたつもりだから悔しかった。
だからこのまま放っておいたら、あいつに怒られる気がして。
半ば強引にその場からあいつの一人息子の大貴を引き取って養子縁組を結んだ。
大貴はまるで、俺を本当の父親のように慕い、懐いて、優しく、温かい子に育ってくれた。
少しも疑う事などせずに、俺に手を伸ばし抱っこをせがまれた時、血が繋がっていないのに泣きたくなるほど愛しくなって。堪らなかった。
引き取った当初に感じていた不安はいつのまにかどこかに吹き飛んで、俺の心には大貴への愛情だけが残った。
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朝光 - 初コメ失礼致します!群青のパスワードをお教えして頂きたいのですがよろしいでしょうか? (2022年3月7日 23時) (レス) id: 13ebdf4ed8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あむ | 作成日時:2021年9月30日 15時