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侑李side


そして、家に戻ろうとした矢先。いつも大盛況のカフェががらんとしている事に気がついた。



目に止まったのは、雨の日、一杯買うと一杯無料の看板。



侑李「いいものみーっけ!」



僕はにーちゃんの手を引いて、迷わずそのカフェに立ち寄った。



普段は長蛇の列で寄るのも億劫になってしまうけれど、今日はだあれもいない。



僕もにーちゃんもアイスココアを頼んで外に出た。一杯の値段なのに2人で飲めちゃうなんてラッキーだ。



侑李「ん!おいしっ!」


慧「……っ!!」



肝心なお味は……、大成功!やっぱり普段人気なだけあって、とても美味しかった。



にーちゃんも気に入ってくれたみたいで、にこにこしながらストローを咥えてる。



侑李「おいしいね、にーちゃん。」



やっぱり返事はない。けれど、満足そうな横顔が見られただけで僕は十分だった。



雨の日もにーちゃんとだったら、晴れの日と同じくらい楽しい。




侑李「あー!見て!にーちゃん虹だよ!」



ココアを吸いながら歩いていると、目の前の雲の切れ間から見えた大きな虹。




侑李「…えぇ、見てないし。ま、いっか。」




食いしん坊なにーちゃんは、花より、虹より。




ちょっとお高い特別カフェのココアらしい。






「にじいろ」/ end




こはくいろ→←・



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作者名:あむ | 作成日時:2021年9月1日 13時

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