・ ページ49
侑李side
〈慧もさっきからそわそわしてた。早く行ってあげて?〉
僕は涙を拭って立ち上がり、リビングのソファでせわしなく揺れるにーちゃんの元へと歩いて行った。
侑李「…にーちゃん、」
僕が近くまで行くとすぐに、すくっと立ち上がって僕の事をうるうるな瞳で見つめた。
慧「……んーっ、んー、…んー」
侑李「にーちゃん、ごめんね。……ごめんなさい、」
信じてあげられなくて、力任せに八つ当たりして、にーちゃんの優しさを拒んで、…ごめんなさい。
〈侑李は慧に八つ当たりしたのが良くなかったね。伝えようとしなきゃ相手には、伝わらないよ。〉
〈慧は、侑李の手を離してふらふら行ったのが良くなかったね。危ないからしっかりついて行かなきゃダメよ。分かってるよね?慧。〉
侑李「…うん。」
にーちゃんは2回手をぱちぱちと叩いた。
「わかったよ」のサイン。
〈うん、じゃあもう仲直り!さ!2人で仲良くお風呂入っといで!!〉
侑李「ごめんね、にーちゃん。お風呂遅れて。待っててくれてありがとう。」
慧「んぅ、……ぁ、…ぁ」
成長しても、出来ることが増えてもにーちゃんはずっと僕のにーちゃんだ。
にーちゃんが僕にしか見せてくれない顔。
侑李「にーちゃん、こっち向いて。」
慧「……?」
お風呂前、フィギュア入りのバスボムを吟味してる顔。
ニヤニヤしてて、結構レア。
「るりいろ」/ end
・
267人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あむ | 作成日時:2021年9月1日 13時