カラフル (ページ46)

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侑李side

にーちゃんを守るのが昔から僕の役目だ。

出先でふらふら歩いたり、声を出したりするにーちゃんを見て障がいをもってるんだなって分かると人は大抵距離を取る。

冷たい視線が向けられたり、困っていても声すらかけてもらえない事だってある。

そんなにーちゃんを危険と人の冷たい目から事前に遠ざけてあげるのが僕の仕事なのに。

わざわざ危険に飛び込むにーちゃんにこの時少しばかり苛立ってしまった。

言葉でも力でも防衛できないにーちゃんのためなのに。

雄也「いいじゃん、もっと見ていけば。この子も気に入ってるみたいだし。俺も大歓迎よ？」

慧「ぁっ、あ！…んぅ、ぁ、」

雄也「はは、そんなに好き？いいよ、もっと近くで見なよ。」

小さな虫かごを2人で見つめるその姿。

普段は人見知りするにーちゃんがもう、にこにこ笑ってて。楽しそうに体を揺らして。

その瞬間、

……にーちゃんが遠くに行ってしまう気がした。

侑李「にーちゃんがそうしたいならずっとそこにいたらいいじゃん。僕帰る。にーちゃんなんて、知らない。」

僕だって、不安になる時くらいあるよ。

にーちゃんが好きだからこそ。

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