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涼介side
俺は侑李の手をそっと引いて、ベランダに向かった。
涼介「侑李、ずっと2人一緒だよ。手、繋いでいようね。」
侑李は例にも漏れずきょとん顔だった。
侑李「……んっ、ん゛っ〜！！！」
それなのにベランダに着いたら、俺の進行方向に逆らって部屋の中に入ろうとする。
涼介「……怖くないよ。大丈夫。」
侑李は俺が何をしようとしているか分かっている筈はない。
それなのに、涙を流して唸って嫌がって。
こんなに感情をあらわにする彼を俺は見たことがなかった。
侑李「ん゛やぁあっ、！！」
涼介「どうしたの侑李。」
侑李「たかいよーっ、こわいね！！……んーっ、」
「だめ…あぶないよー、ゆうりっ」
「はなればなれだよ、っ、……」
涼介「……侑李お前。」
これは確か、まだ俺たちが小さかった時だったっけ。
怖いもの知らずで、ベランダの柵の間から外ばかり見ていた侑李に俺はこう言った気がする。
涼介(侑李はよくそんな高いとこから見ても平気だな。俺は怖いから絶対無理だなぁ。)
(でも危ないからもうダメ！ここから落ちたら会えなくなっちゃうんだよ。離れ離れになっちゃうから。だからもうおしまい！！)
そう言ったら、その日からピタリと止んだんだっけ。
もしかして侑李はそのことずっとずっと覚えていたのかな。
俺が昔に怖いって言ったから、行かないって意思表示してくれたの？？
侑李に手を引かれるまま室内に戻ると、侑李は俺の手をにぎにぎと握る。
侑李「いっしょ、……」
涼介「……侑李、ごめんね。俺……ごめんっ、」
俺は侑李の声で我に帰った。俺は今までなんて事をしようとしていたのだろうか。
侑李が痛みに鈍感で、自分で意思表示できないのを良いことに自らの選択を彼にまで押し付けようとした。
侑李なら着いてきてくれる、そんな自惚れに苛まれていた。
侑李から向いた俺への信頼の矢印を、都合よく利用しようとしたんだ。
涼介「……ごめんねっ、ごめん、っ」
侑李「……いっしょ？」
涼介「うん。ずっと一緒。離れ離れにならないよ。」
一回り小さな兄の体を腕に収めると、
道端にちょこんと咲く花のように。
かわいらしく、それでいて生命力に溢れたように。
____ ふわりと微笑んだ。
・
「鍵と錠」/ end
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のん - 凪さん» お返事お待ちしております・・・(汗) (2021年5月23日 18時) (
レス) id: cf51685787 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 凪さん» リクエストさせて頂いたお話が、いつ頃公開されるのか､教えて頂けると嬉しいです。 (2021年4月19日 20時) (レス) id: cf51685787 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 凪さん» そして、出来たら･･･少年が受けてきてた行為の様を障りだけでも構いませんので、描いて頂けると嬉しいです･･･！ (2021年4月14日 21時) (レス) id: cf51685787 (このIDを非表示/違反報告)
のん - こちらの方で描いて頂く事は、可能でしょうか･･･？ (2021年4月14日 21時) (レス) id: cf51685787 (このIDを非表示/違反報告)
凪(プロフ) - のんさん» 返信遅くなりまして、申し訳ありません…！恋仲無しの方向で書かせて頂きます！！ (2021年4月14日 19時) (レス) id: 1693d0e47d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あむ
| 作成日時：2021年2月21日 20時
