鍵と錠 ページ30
涼介(17)侑李(17)
少し暗い表現あります。痛い描写があるので閲覧には注意してください。
涼介side
バイトを終え、玄関の扉を音を立てないよう恐る恐る開ける。
廊下の先で光る部屋から、か細い足首が覗いているのが見え俺は靴を脱ぎ捨てて駆け寄った。
涼介「……侑李っ！」
リビングにぐだっと横たえた侑李の顔には、朝にはなかった新しい傷跡が増えていた。
ふわふわと流れてきた白い煙によって嫌でもあの人の存在を認識する。
涼介「金渡したら侑李には手出さないって約束だろ！！」
『やぁだなあ〜、ちょっと遊んであげただけじゃない。』
タバコを咥えながら、ケラケラと笑うその姿に沸々と怒りが込み上げる。
いつまでも臭い香水纏いやがって。
今日もこれから夜の街に出かける予定なのだろう。白肌に真っ赤な口紅がギラリと映えていた。
『てか、あんた今日給料日でしょ？さっさと出しなさいよぉ』
テーブルには空いた酒瓶が転がっている。既に酔いが回っているのか呂律が回っていない。
涼介「なんで約束破った奴に金出さないといけねぇんだよ。」
『…はぁ？親に楯突くつもりなの？』
『ほんとあの人に似た、目。本当気分悪い。』
俺の前髪をがしりと掴んでぐいぐいと揺らす。
勝手にそっちがやったのに機嫌悪くなってるし。
そのまま後ろにぐいっと倒され、俺の鞄から封筒が抜き取られる。
『ふふ、いいじゃんいいじゃん。結構稼ぐね、あんた。』
俺が汗水垂らして働いた金がこいつの手によって湯水のように使われているのだと思うと心が痛い。
でも金を渡してこいつが外に出ていってくれるのなら、ずっと家にいるよりか侑李の為にもなる事は俺が1番分かっていた。
悔しいけどこうする外、侑李を守ってやれる術はない。
本当に感情の起伏が激しい人。お金1つで機嫌は良くなり、鼻歌を歌いながら外に出て行った。
涼介「ごめんね、遅くなった。」
倒れ込んでいた侑李の体をそっと起こして抱きしめる。
1人でどれだけ心細い思いをしただろうか。四六時中そばに居てやれたらいいのに。
涼介「痛いね。これ。」
侑李の痩せこけた頬にまた新しく刻まれた傷跡に手を這わせる。
侑李は大きな目をぱちぱちとするだけであった。
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のん - 凪さん» お返事お待ちしております・・・(汗) (2021年5月23日 18時) (
レス) id: cf51685787 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 凪さん» リクエストさせて頂いたお話が、いつ頃公開されるのか､教えて頂けると嬉しいです。 (2021年4月19日 20時) (レス) id: cf51685787 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 凪さん» そして、出来たら･･･少年が受けてきてた行為の様を障りだけでも構いませんので、描いて頂けると嬉しいです･･･！ (2021年4月14日 21時) (レス) id: cf51685787 (このIDを非表示/違反報告)
のん - こちらの方で描いて頂く事は、可能でしょうか･･･？ (2021年4月14日 21時) (レス) id: cf51685787 (このIDを非表示/違反報告)
凪(プロフ) - のんさん» 返信遅くなりまして、申し訳ありません…！恋仲無しの方向で書かせて頂きます！！ (2021年4月14日 19時) (レス) id: 1693d0e47d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あむ
| 作成日時：2021年2月21日 20時
