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慧side
慧「大貴くん。…もう、おしまい。」
ずっと床を拭き続けるその手を優しく包んで動きを止める。
涙が溜まった大きな黒目がこちらに向けられる。
やっと目があった。
まだ微かではあるけど、えずいている彼の口元に転がっていたガーグルベースを拾って当ててあげる。
ゆっくりと背中のカーブを撫でると、少しずつだけどまた少し、戻してしまった。
慧「大丈夫だよ。楽になるまで吐いちゃおうね。平気平気。」
ずっと、親に嫌なことされていたのかな。
嘔吐したら、怒られてたのかな。
自分で片付けろって、怒鳴られてたのかもしれない。
これはただの俺の推測にしか過ぎないけど、大貴くんの言動と痛々しく腕についた痣たちが全てだとおもった。
慧「何も悪い事なんてしてないんだから。気持ち悪くなっちゃったら、先生呼んでいいんだよ？」
「自分で片付けなんてしなくていいの。」
今回、床に戻してしまったのもギリギリまで我慢していた事が原因だと思うから。
慧「ここの人は誰も怒ったりしないよ。全員大貴くんの味方。」
「……おいで。」
俺がそっと両手を広げると、じぃーっと俺を数秒見つめて固まる大貴くん。
慧「……もう1人じゃないよ。」
すると、ぎこちなくだけどゆっくりとしゃがんだ俺の膝下に跨って首に細い腕が回る。
大貴「……ぅっ、……うぇぇえっ、んっ」
俺の首にぎゅっとしがみついて、我慢の糸が切れたみたいに泣き出した。
……よかった、泣ける子だった。
俺はその感情を受け止めるように、抱きしめ返す。
慧「今日から俺が家族だから。」
彼が泣き止むまで、俺は涙の粒を肩で受け止め続けた。
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「相合傘」/ end
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のん - 凪さん» お返事お待ちしております・・・(汗) (2021年5月23日 18時) (
レス) id: cf51685787 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 凪さん» リクエストさせて頂いたお話が、いつ頃公開されるのか､教えて頂けると嬉しいです。 (2021年4月19日 20時) (レス) id: cf51685787 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 凪さん» そして、出来たら･･･少年が受けてきてた行為の様を障りだけでも構いませんので、描いて頂けると嬉しいです･･･！ (2021年4月14日 21時) (レス) id: cf51685787 (このIDを非表示/違反報告)
のん - こちらの方で描いて頂く事は、可能でしょうか･･･？ (2021年4月14日 21時) (レス) id: cf51685787 (このIDを非表示/違反報告)
凪(プロフ) - のんさん» 返信遅くなりまして、申し訳ありません…！恋仲無しの方向で書かせて頂きます！！ (2021年4月14日 19時) (レス) id: 1693d0e47d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あむ
| 作成日時：2021年2月21日 20時
