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光side
そして暫くすると侑李は力が抜けたように眠ってしまった。
とりあえず保健室に駆け込むと、運良く先生はいなかったのでベッドを借りることに。
裕翔「……ごめん、ひか。」
「ちょっと日誌を出しに行った隙だったんだ……、最近調子良さそうだったから、俺、油断して、」
光「裕翔は悪くないから、謝るなよ。」
「今日は朝も反転したんだ。…だから言っておけばよかった。俺の責任だよ。」
すやすやと眠る侑李の手に引っ掻き傷を見つける。さっき押さえ込んだ時に傷つけてしまったのだろうか。
俺は保健室の棚から数枚絆創膏を拝借して、傷口に貼り付けた。
光「…悔しい。侑李のことちゃんと分かって貰えないの。」
独り言のように出たその言葉。裕翔は何も返してこなかった。
すると最終下校時刻の放送が流れるのと同時に、侑李はしぱしぱと瞬きをして起き上がった。
侑李「………あれ、僕。」
目覚めた彼はもうさっきのような荒々しい言葉づかいではなかった。侑李に戻ったのだ。
目覚めた侑李は手の甲に貼られた絆創膏に気がつくやいなや、悲しそうに眉を下げた。
侑李「……また、やっちゃったんだ。僕。」
「だからゆーてぃもひかもそんなに悲しい顔してるんだよね。」
光「違うよ、守ってあげられなかったから、」
侑李「なんで自分をコントロールできないんだろうっ……、わかんないよ、っ、」
裕翔「侑李……」
今日は反転を繰り返していることもあって、心が不安定なのだろう。
侑李の目から涙が溢れて、真っ白なシーツにぽたりぽたりとシミをつくってゆく。
侑李「うまくやろうって、思えば思うほど上手くいかない、っ、…人格反転してる時の意識だって無いから…迷惑かけてることさえも分からなくて…っ、」
「……迷惑をかけてるのはわかるの…、でも1人にはなりたくないっ、」
「……っひとりに、しないで……っ」
侑李はこの障害のせいで沢山の物を奪われた。
友達は気がついたら周りからいなくなり、部活からも退部せざるをえなくなった。
先生からも優等生だったのに素行が急に悪くなった、と嫌味のような事を言われる事だってある。
意識が無いからこそ、直しようがないし目覚めた時にはもう全ての事が進んでいる状況。
侑李はちゃんと侑李なのに少し性格が変わってしまうだけで気持ち悪がられる。
侑李の辛さは俺たちに理解できないほどきっと大きいのだ。
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新道踏切(プロフ) - リクエストお願いします！伊野尾くんが心臓病でいつも心配してくれるやん家族に反抗期で、冷たく当たる話が読みたいです(*^^*)毎回楽しく読ませて頂いてます！更新頑張ってください!! (2021年1月14日 8時) (
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作者名：あむ
| 作成日時：2020年12月19日 20時
