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雄也side
慧は、なんとか一命を取り留めた。
発作の他にも足の捻挫や擦り傷があったから暫くは絶対安静。
酸素マスクも手放せないらしい。
俺はどうしても眠ることが出来ないで、ずっと彼の側に座っていた。
「雄也、まだ起きてたのか。」
雄也「……うん、なんか、眠れなくて。」
やってきたのは俺の担当医かつ、慧の担当医。
慧の側にある機械を少し弄ったと思ったら、俺の隣に腰掛けた。
「…ほれ。」
雄也「……なに、これ。」
「……慧くんからのお土産。…お前、感謝しろよ？意識手放しかけてんのに、ずっとずっとこれだけ握ってはなさねぇのよ。」
担当医の手のひらに載っていたのは、四葉のクローバーだった。
茎は3箇所くらい折れてて、くたくたで。
これ以上動かしたら取れそうな葉が付いている。
意識を奪われたように、その葉を見つめていたら震える声が耳をくすぐった。
慧「……たかぎ、」
雄也「……慧、っ」
慧「……たかぎ、……しあわせ、なれるよ。」
何時間も何時間もその小さな手でこのクローバーを探していたのだと思うと胸がきゅうっと苦しくなった。
余裕を無くした俺を見て、これを見せたいと思ってくれたのだろうか。
雄也「…お前、馬鹿だろっ、俺なんかのために、ずっとさがして…発作起こして…怪我して、」
慧「……たかぎは、…いつも苦しいのたすけてくれるから、」
雄也「……慧。」
慧「……ありがとう、たかぎ。」
雄也「うん。…俺も、ありがとうな。」
俺は、白くて溶けそうなその手に触れた。
温かい手を包み込みながら、ふと思う。
……今度は、お散歩一緒に行くのもいいのかな。なんて。
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「幸せ宅配便」/end
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新道踏切(プロフ) - リクエストお願いします！伊野尾くんが心臓病でいつも心配してくれるやん家族に反抗期で、冷たく当たる話が読みたいです(*^^*)毎回楽しく読ませて頂いてます！更新頑張ってください!! (2021年1月14日 8時) (
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作者名：あむ
| 作成日時：2020年12月19日 20時
